マガジンワールド

別荘、ではなく基地。 From Editors No. 57

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別荘、ではなく基地。

 

今回の特集「心地のいい暮らし、を考えてみた」は、ざっくり言うと「移住」と「二拠点生活」の取材がメインテーマでした。住み慣れた土地や地域とのつながりを手放し、別の場所で生活や仕事をするという選択は、なかなかハードルが高いものじゃないかと想像していたのですが、「都心を離れた、豊かな暮らし」で取材させていただいた7組の方々は、なんとも軽やかに“移り住み”を実現されていました。都心にいた頃と同じ仕事をされている方もいれば、まったく別の生業を手に入れた方もいる。共通しているポイントといえば、家族やパートナーという心強い相棒が一緒だということでしょうか。

そして、「二拠点生活の心地いいバランス」で取材させていただいた3組の方々も、それぞれにいいペースで、A地点とB地点(あるいはC地点)を行き来しつつ、暮らしを楽しんでいらっしゃいました。ふと考えると、二拠点生活と別荘という概念は、何が違うのだろう。金銭的にも時間的に余裕のある人が持つ、避暑や避寒のために訪れる「もう一つの家」が別荘だとしたら、二拠点生活の定義は、それとは軸がちょっと違うのかもしれません。すなわち、もう一つの場所に行ってしたいことがある、だから拠点が必要になる、というのが二拠点生活。つまり、行った先に目的があるということ。

そう考えてまわりを見渡すと、意外とB地点を構えている友人知人がいることに気づきます。休日に行く釣りのため、山歩きやスキーのための小屋を、山や湖の近くに持っていたり、週末ごとの波乗りのために、海の近くにマンションを借りていたり。それは別荘というより、趣味のためのねぐらというか、基地に近い感覚なのだと思います。心地のいい暮らし、について考えると、いろいろな選択肢が見えてくるね、そういう一冊になったと思います。

(岩下祐子/本誌編集部)
 
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そして我が基地。仕事がどんなに過酷(!)でも、休みなったらエスケープして思いっきりシフトチェンジ。会う人、食べるもの、見る景色が変わるのですよ。最低限、快適な都市生活ができるように整えていますが、テレビをつけることはほぼありません。冷蔵後にはビールが満々に冷え、並びの直売所には不揃いで新鮮な野菜がたっぷり。まさにLife is Peaceful!


アンド プレミアム No. 57

心地のいい暮らし、を考えてみた。

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アンド プレミアム No. 57 —『心地のいい暮らし、を考えてみた。』

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