マガジンワールド

ふとした日々のワンシーンを、ベターに変えてくれるもの。 From Editors No. 94

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ふとした日々のワンシーンを、ベターに変えてくれるもの。

 

一人暮らしを始めたばかりの大学生の頃、レンタルビデオ店でアルバイトをしていました。当時は映画のサブスクリプションサービスなんてもちろんなく、年に数回映画館に行くだけで、映画鑑賞は専ら金曜ロードショーが中心。そんな僕が、特別な思いれもなく入ったアルバイト先は、周囲に点在するいくつもの大学の映画好きが働く24時間営業の大規模店。いま思えばこの時に、本当に多くの映画に出合った気がします。
「おまえジム・ジャームッシュぐらい見とかなあかんで」と言われたらレンタル。「最近ブラジル映画がキテるらしい」(ちょうど2001年にブラジル国立映画庁が設立された後だった)と聞けばレンタル。「やっぱり小津と黒澤でしょ」と聞けばレンタル。店長や同僚との会話から毎日観たい映画を見つけて、従業員割引を活用してとにかくレンタル。帰宅後に朝まで観て、翌日のバイトで返却してまた借りる。そこを入り口に、音楽や原作となった文学、舞台となった国……へと興味は広がり、挿入歌を担当するバンドのライブにいったり、憧れた景色を見に旅に出かけたりと、映画を観る以外の楽しみも教えてもらいました。まぁ夜通し映画を観ているわけで大体毎日寝不足、学校で学ぶべきことが身についたかは自信がないですが。
今回、取材で挙げていただいた作品を追いかけるために、連日連夜映画を観ていました。過去に観たことがある作品でも観直してみると全く違う印象を受けるのも面白いし、初めて観る作品から教わることもたくさんありました。『&Premium』が掲げる“ベターライフ”には、やっぱり映画は欠かせないなぁ。学生時代を思い出しながら、そんなことを思いました。

利根正彦(本誌編集部)
 
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最近の個人的ヒット、スパイク・リー監督『アメリカン・ユートピア』。トーキング・ヘッズのフロントマン、デヴィッド・バーンがブロードウェイで行った同名のショーが映画化! 映画館で体験することの楽しさにも溢れ、久しぶりにプログラムまで買ってしまいました。
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