間取り図から広がる世界。 From Editors No. 63
From Editors 1
間取り図から広がる世界。
自分の部屋がどうかはさておき、人様の部屋を拝見するのは楽しいものです。とくに『&Premium』で取材をお願いする方々の部屋は、それぞれの個性に応じた整え方をした、温かく幸せな雰囲気の、心地いい空間ばかり。こんなところに住めたら、ちゃんと料理をして、掃除も手を抜かず、ときには友人たちを招いて……などと、空想は広がるばかり。
という一方で、実際の部屋を見るのではなく、間取り図を読み込む楽しみというのも、また格別。空間の具体的な広さ、開口部の方角、収納の有無や数、キッチンや水回りの動線など、無機質な線画を眺めているだけでワクワクしてくる、そんなことはありませんか? 私などはまさにそのタイプ。間取り図大好き。集合住宅なのにスキップフロアだったり、メゾネットだったり、極小の空間ながらロフトスペースがやたらと広く、天井高があったり、図面から読み取れること、そこから空想できる暮らしに、思いっきり夢を見てしまうのです。現実ではなく夢ですから、年齢も職業も環境もまったくのフィクション、自由に創作して、どんな人間にもなれてしまう。あぁ、おもしろい。
ま、というような特異な楽しみはともかくとして、今回も心地よく整った部屋が満載です。ぜひ手に取ってみてください。
(岩下祐子/本誌編集部)