進化するスタンダード。 From Editors No. 65
From Editors 1
進化するスタンダード。
スタンダードと聞いて、皆さんが思い浮かべるのはどんなアイテムですか? 服であれば〈リーバイス〉501や〈ヘインズ〉の白Tといった誰もが知るザ・スタンダードも間違いありませんが、今回ファッション企画を担当して感じたのは、スタンダードもずいぶんと進化しているということです。
たとえば、ほしい! と思ったのが〈オーラリー〉の白いTシャツ。一見ベーシックなふつうのTシャツですが、超長綿を使った肌あたりのよい生地や体型をカバーしてくれるゆとりのあるシルエットなど、日本ブランドらしい細やかな作りに心惹かれました。そんな「これからのスタンダード」になっていく可能性を感じたニュースタンダードアイテムも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
またもうひとつファッションの話で印象的だったのは、スタンダードは作り手にも身に着ける側にも時間が必要だということ。「スタンダードになるにはどうしても時間が必要です。熟成したものにしかその言葉は使えないので」「時間をかけないとマイスタンダードにならないから簡単には増えない」。これらは、座談会企画でメンバーの方々から出た言葉です。確かに。自分自身を振り返ってみても、これ! というスタンダードはまだまだ少ないし、着こなせてないなあとも感じます。日々使い込んで、失敗もして、やっと自分のスタンダードになるならばと、タンスに眠っていたチノパンやネイビーブレザーを引っ張り出し、この春どう着こなそうかと悩み中です。
(田中紀子/本誌編集部)