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カーサ ブルータスをカバンに入れて、 日本全国の美術館を訪ねよう。 Editor’s Voice No.247

Editor’s Voice
カーサ ブルータスをカバンに入れて、
日本全国の美術館を訪ねよう。

日本では、世界に誇る素晴らしい建築家たちが数多く活躍していますが、それは日本に素晴らしい美術館が数多く存在することでもあります。ここ数十年、建築が時代や人々の生活の変化によって進歩してきたように、美術館もまたその空間や役割を変化させてきました。そして今回、カーサ ブルータス6年ぶりの美術館特集で、2020年という大きな転換期を迎えたこの時に紹介したい、日本各地の美術館を取材しました。
今号の「美術館をめぐる対話」特集で、建築家の青木淳さん、西沢立衛さんの対談でも語られているように、現在、美術館には様々なタイプの美術館があります。おそらくいま日本で最も人気のある美術館、SANAA設計による金沢21世紀美術館は、塀や柵がなく、どこからでも入ることのできる公園のような建物です。地域に溶け込む美術館、というのがいま最も求められている美術館のあり方のひとつであり、それが建築によって実現されています。実際、地元の方たちが犬の散歩で訪れていたり、子供の遊び場になっていたり、心和む風景を見かけました。対して、昨年、リニューアルした福岡市美術館は、建築家の前川國男が1979年に手掛けた建物です。美しいレンガ、グラフィカルなかまぼこ天井、クラシックな照明器具、ダイナミックなアトリウム。外から美術館の中に入ってくると、日常から非日常の空間に入ってくる感覚が味わえます。金沢21世紀美術館とは対照的なアプローチなのかもしれません。
そんな素晴らしい美術館が日本にはたくさんあります。カーサ ブルータスを手に取ってじっくり眺めるだけでも十分堪能できますが、できることなら実際に足を運んで、その空間を自分の身体で体験してください。

 
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金沢21世紀美術館
 
特集担当編集/辻村雅史
 
CASA BRUTUS No. 247

日本のBEST美術館100

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