マガジンワールド

籠ることで癒やされる。 Editor’s Voice No.251

Editor’s Voice
籠ることで癒やされる。

「こんな時期ですが……」が挨拶のようになってきたこの頃、約1年ぶりとなるホテル特集です。こんなとき、いつか行きたいのはもちろん、読んでいるだけでも癒されるような宿とは?リサーチを重ねました。といっても、開催されるはずだった東京五輪の開業ラッシュに合わせて実に多くのホテルがオープンしていたので、制作が進むにつれてページ数が足りるか心配になるほど。本当に、これまで当たり前に楽しんでいた旅行というものがどれだけ多くの人によって支えられているかを改めて感じました。

カーサが2018年に初めて特集した“ライフスタイルホテル”は、「質やデザインにはとことんこだわるけれど、行動はあくまで自分主体。自由なスタイルで暮らすように滞在するホテル」がコンセプト。それから+αの空間、美食、温泉、アートなどなど……さまざまな形で訪れる人を癒してくれる宿が誕生しました。今回はホテルから一歩も出なくても(むしろ出たくなくなるような)至福の時間を過ごせる宿をご紹介しています。自粛期間が明けたらどこに行こうかと探している方、参考にしてみていただけると嬉しいです。

 
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本格キッチンを備えた〈MAYA〉にて、冷水希三子さんに美味しく料理される前の元気なカサゴ。〈MAYA〉では鎌倉の漁師さんが朝釣った魚を買うこともできます。果たしてどんな料理になったのか!? 続きは本誌にて。
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〈HOTEL THE MITSUI KYOTO〉は敷地内の地下約1000m(!)から天然温泉水を汲み上げたそう。本気度が違います。客室の半露天風呂に浸かりながら永遠に飲みたいものです。真隣には二条城が。
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こんな山あいに〈パークハイアット ニセコ〉が突如現れます。奥は「北海道の富士山」と名高い羊蹄山、手前はパウダースノーで有名なニセコアンヌプリ。都会では見られない一面銀世界に思わず息を呑みます。
 

個人的にですが、いつか親にプレゼントしたい宿。それは松本の〈金宇館〉(p.42)です。取材後の昼下がり、夕陽が差し込むロビーでぼ〜っと庭を眺めながら、旅はスケジュールを詰め込んでなんぼ、というタイプの私が「何もしない時間の贅沢さ」を初めて実感。オリジナルで製作された家具やアートの静けさを讃える設えはもちろんのこと、宿を切り盛りするご夫婦の一切気取らない、けれど細部まで行き届いた心遣いが何より心地よい。一番癒してあげたい人に泊まってほしい、そんな宿でした。

 
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〈金宇館〉のロビーから眺める庭。丁寧に手入れされている。静寂の時間。
 

気づけばもう春の気配。一刻も早く平穏な日々が過ごせることを願いながら、今年は+αのあるホテルで癒しのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

 
編集担当/奥村桜子
 
CASA BRUTUS No. 251

STAY HOTEL 癒やしの宿

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