台所という“居場所”についての考察。 From Editors No. 91
From Editors 1
台所という“居場所”についての考察。
例えば新居を決めるときに、家賃と間取り以外に最も重視するポイントは何かと聞かれたら、台所の様子だと答えるでしょう。もちろん、バスルームやトイレの状態も大切な要素ですが、家賃と比例して、とんでもないことには、まぁならない。でも、台所には意外な盲点がたくさんあると思いませんか。シンクが広いわりに作業スペースがぜんぜん足りないとか、斜めに配置された2口の火元しかないとか、冷蔵庫のスペースが導線とまったく合っていないとか。煮炊きと洗い物ができることが最低限の条件ではありますが、そこで快適かつ効率的に作業し、さらに居心地のよさまで加味して考えると、換気の問題や部屋の位置関係など、チェックポイントは増えていく一方です。L字やコの字の配置がいいとか、アイランドが欲しいとか、独立したスペースであるべきとか、それぞれ好みもあるでしょう。個人的には、椅子に座って本でも読みながら、もちろん傍にはビールかワインを用意して、筍の下茹でなんかをする、ちょっと狭めの“団地的なダイニングキッチン”が理想的な台所です。
さて、今回の「やっぱり、台所は大切です」特集、みなさんの参考になりそうな台所は見つかりましたか。
岩下祐子(本誌編集部)