「ベテラン料理研究家に取材をさせていただきました。」編集部こぼれ話
取材こぼれ話
2017年9月20日
先輩ふたりの力。
今号のテーマは「料理の力は人生の力」。その取材でホルトハウス房子さんと野口日出子さんというベテラン料理研究家に取材をさせていただきました。ともに84歳。西洋料理と和食の違いこそあれ、長年にわたって料理教室を主宰し、多くの人に美味しい家庭の味を教えてきました。お話を伺うと、さまざまな共通点をお持ちでした。
まずはそのあくなき探究心。おいしいものをどう作るか、素材をどう生かすかを考え続けてきたおふたり。ホルトハウスさんの書斎の本棚には古今東西の料理の本がびっしり。読み込まれ使い込まれて、表紙が取れてしまった本もあります。一方、野口さんは若き日にこの人と思い定めた魚類の学者さんに教えを乞い、先生が亡くなったあとも、師が記した魚類図鑑をいまも大切に料理の参考書にしておられます。
ともに料理の道具を大切に扱い、包丁は毎日のように研ぎ、手入れを欠かしません。
体のケアへの意識に高さもさすがです。パーソナルトレーナーについて運動を続けているホルトハウスさん。野口さんは、雨が降ろうが風が吹こうが、毎日40分のウォーキングを決して休みません。
ひとつのことを一心に追い求めてきた方の、身を惜しまない努力、新しいことを生み出そうとするエネルギー。人生の大先輩の姿に、自分もぼんやりしてはいられない、まだまだがんばらなくては、と活を入れられた思いでした。おふたりの素敵な笑顔と料理を、本誌で確認していただけたら嬉しく思います。
編集N.F.