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TOTOの技術の粋を集めた《ネオレスト》。その進化の秘密は水にあります。

TOTOの技術の粋を集めた《ネオレスト》。
その進化の秘密は水にあります。

高いデザイン性と革新的な技術で、世界から注目を集める《ネオレスト》。
タンクレス、超節水、きれい除菌水など常にトイレの新しい形を提示している。
その背景には、水と共に長い歴史を歩んできたTOTOの水に対する思いがあった。

illustration_Joe Okada (Vision Track) text_Ai Sakamoto

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NEOREST

発売20周年となる2013年、累計出荷台数160万台を突破したタンクレストイレ。デザイン性はもちろん「きれい除菌水」「トルネード洗浄」「セフィオンテクト」といった最先端の技術を搭載している。

世界の水を知ること。それが必要でした。

1917年の創業以来、水まわりの設備メーカーとして、水を大切にしてきたTOTO。その活動は多岐にわたり、節水やエコに根ざした商品開発から、市民の水に対する取り組みを支援する「TOTO水環境基金」にまで及ぶ。《ネオレスト》に搭載された業界初となる「きれい除菌水」(※1)もそんな思いから開発された技術だ。「きれい除菌水」とは、水道水(※2)に含まれる塩化物イオンを電気分解してできる次亜塩素酸を含む水のこと。トイレの使用後にボウル面を自動で洗浄し、目に見えない汚れや雑菌を分解(※3)・除菌(※4)してくれるという。次亜塩素酸は、ほ乳瓶や野菜などの洗浄にも使われる成分だから人体にも安心・安全。さらに数時間後には、元の水(※5)に戻るので環境にも優しい。
即効性と環境への配慮から「きれい除菌水」を採用。
そもそもTOTOが「きれい除菌水」の開発に着手したのは、トイレに関するアンケート結果がきっかけだったという。開発チームの松本勘さんは話す。

「トイレの気になる点についてアンケートを取ったところ、回答の大半が衛生面に関する問題でした。中でも、半数以上を占めたのが便器内の汚れ。そこで、使うたびに便器の内側をきれいにする方法を探し始めたんです」

プロジェクトが開始してからの半年間は、汚れのメカニズムに関する研究に明け暮れた。その結果、トイレの汚れの原因は排泄物中の、主にタンパク質や糖質を栄養として摂取し繁殖する菌であることにたどり着いたという。

「掃除直後のトイレには、ほとんど菌はいませんが、時間がたつとわずかな菌が大きく繁殖し、汚れとなって認識される。そこで選ばれたのが次亜塩素酸。菌に対して即効性があって、頻繁に使っても効果を得られるのが理由です。薬剤や洗剤を添加しないので、環境に対する負荷も少ない。次亜塩素酸は、ウォシュレットのノズルの洗浄にも使われているんですよ」

地道でアナログな努力が世界最高水準の技術を作る。
採用する技術が決まると、同時に課題も現れた。「きれい除菌水」は水道水を原料とすることから、その水質が性能に及ぼす影響、そして「きれい除菌水」を作り出す電解ユニットの詰まりの原因となる炭酸カルシウムについて調べる必要が生じたのである。まず行ったのは全国約5800か所の水道水の成分データ解析。「きれい除菌水」のもととなる塩化物イオンの含有量をはじめ、硬度、pHといったデータをひたすらひもといた。

「机上の計算でおおよその予測は立ちましたが、実際に『きれい除菌水』を作るユニットに水道水を通さないと細かい部分はわからない。そこで、年末年始に帰省する社員や、全国のショールームに頼んで、200か所以上のサンプルを採取して実証したんです」

世界最高水準の技術を裏打ちするための、地道でアナログな努力。グローバルに展開する《ネオレスト》の場合、採取する水道水は海外にまで及んだというから驚く。

「当社の海外拠点はもちろん、出張や旅行に出かける社員に採取を依頼しました。結果、約100か所の水道水が集まった。硬度が高いことで知られるミネラルウォーター1万本をユニットに通して耐久実験したこともあります(笑)。詰まりに関して人心地つけたのは、ヨーロッパと並ぶ硬水で知られる中国・北京の現地工場に間借りして行った長期の実験結果を受けたとき。あぁ、これで世界中どこの水でも大丈夫だと思えた」(笑)

こうして足かけ2年をかけ開発された「きれい除菌水」。データ解析だけで済ませたり、薬剤や洗剤を使う方法を選ぶなど、もっと安直なやり方もあったが、彼らはあえて厳しい道を選んだ。

「長年、水に携わってきたTOTOだからこそ、人や環境に対する安心・安全をおざなりにすることはできませんでした。どんな技術にしても、当社は基礎研究に長い時間をかけます。持っているコア技術をベースに、さまざまな問題をブレークスルーしていく。目指すのはオンリーワンなんです」

水に始まり水に終わるTOTOの技術開発は、今も続いている。

 

 

これが「きれい除菌水」です。

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日本全国200か所以上で
水道水を採取。

約5,800か所の浄水場の水道水成分データを解析。その上で、200か所を超えるサンプルを採取。特に「きれい除菌水」の性能が発揮しづらいと予想されたエリアには、試作品を持ち込んで耐久試験を行った。
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世界中から
水道水ペットボトルが到来。

アメリカ、ヨーロッパ、中国など約100か所からサンプルを採取。出張中の社員に、500mlペットボトルに水道水を入れて持ち帰ってもらうことも。おかげで世界中どこの水道水でも「きれい除菌水」が作れることを確認。
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中性の水からできる
中性物質だから安心。

水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解することでできる次亜塩素酸。「きれい除菌水」は、この成分を含む水で食品などの洗浄にも利用される安心な技術。数時間効果が持続した後、もとの水に戻るので環境にも優しい。


 

※1 試験機関:北里環境科学センター/試験方法:電解水の除菌効力試験/除菌方法:電解した水道水と菌液を混合し除菌効果を確認/試験結果:99%以上/効果効能:「きれい除菌水」は、汚れを抑制するもので清掃不要になるものではありません。使用・環境条件(水質・便器形状など)によっては、効果が異なります。※2 水道水(水道法で定められた水)です。井戸水の場合、塩化物イオンが少ないため十分な効果が得られないことがあります。※3 試験機関:日本食品分析センター、東レリサーチセンター。※4 試験機関:日本食品分析センター/試験方法:除菌効果試験/除菌方法:電解した水道水により洗浄/試験結果:99%以上/対象部分:ノズル表面全体および通水路、便器ボウル面の便器洗浄部。※5 水道法の水質基準に合致した水です。
●問合せ/TOTOお客様相談室☎0120・03・1010(9時~17時。年末年始、夏期休暇を除く)。http://www.toto.co.jp