マガジンワールド

「クウネル3月号の「懐かしく、温かい、忘れられない母の味」の取材でコウ静子さん、李映林さんの親子にお会いしました。」編集部こぼれ話

 

取材こぼれ話
2018年2月20日

 
クウネル3月号の「懐かしく、温かい、忘れられない母の味」の取材でコウ静子さん、李映林さんの親子にお会いしました。静子さんの弟・コウケンテツさんも含め、3人もの料理家を生んだ家族のお話、大切にしてきた家庭の味について伺ったのです。誌面で紹介した大豆粉のスープやチヂミと同様、韓国の海苔巻き、キンパも家族全員が大好きなメニューだそうです。もともとは、野菜や肉を芯に巻いた海苔巻きです。

お客様をもてなすときや、お弁当にキンパをよく作っていた映林さん。しかし、静子さんの心に残っているのは、学生やOL時代、毎朝あわただしく家を出ていく娘に映林さんが「これだけでも食べて行きなさい」と渡した手巻きのキンパです。熱々の炊きたてごはんを、あぶった海苔でさっと巻いただけの簡単キンパ。中身は梅干しだったり、ナムルだったり、1種類くらいの簡単なもの。
「時間がないし、いらない、いらない」と言っても、母の勧めもあってひとつだけ頬張る。ばたばたと家を出てしばらくすると、温かいキンパが染み渡って、お腹と心が落ち着いてくるのを感じたそうです。「しっかり頑張って」という映林さんの気持ちも伝わってきて、「ああ、料理って思いを伝えるものなんだなぁ」と実感したと静子さんは言いました。

食べることを通して、親と子の間にそんな気持ちのやり取りがあること。そこで受け取った家族の思いは、人を一生支えていく土台になるんだろうなぁ。そんなことを感じた取材でした。

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編集部 N.F.

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