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自分だけのシェルチェアから始める、憧れのミッドセンチュリーライフ。 From Editors No.883

From EditorsNo.883 フロム エディターズ

自分だけのシェルチェアから始める、憧れのミッドセンチュリーライフ。

1990年代にはじまる、「ミッドセンチュリーブーム」の頃に生まれた僕にとって、イームズらの手がけた“未来の家具”たちは、すでに暮らしの中にある“定番の家具”でした。ふらっと入ったハンバーガーショップの椅子がイームズのものだったり、よく行く古着屋の棚がよく見るとネルソンのものだったり。その中でも一番よく目にしていたのが、イームズのシェルチェアでした。

シェルチェアはミッドセンチュリーデザインのエントリー家具にぴったりです。価格も比較的安く、丈夫なので長く使えて、フレンチや北欧など、いろいろなテイストの部屋に調和します。ですが、「よし、シェルチェアを買おう! なるほど、ヴィンテージと新品があるのか。どうやら色もたくさんあるようだ。えっ、レッグの種類もこんなに……!?」と、買う前に足踏みをする人も多いのではないでしょうか。今回の特集では、購入時の参考になればと、ヴィンテージシェルチェアのチェックポイントをまとめたページを作りました。(p.56)

まずは好きな色を選ぶところから。今回なんと、ヴィンテージのシェルほぼ全色を、とあるコレクターさんからお借りすることができ、カラバリが一目で分かるカタログができました。ミッドセンチュリーを象徴する鮮やかなカラーもいいけれど、茶系の落ち着いたカラーもいい。せっかくだから珍しい色を探すというのもオススメです。色が決まったら、ダイニングで使うのか、リビングで使うのか、使用シーンを想定してレッグを決めましょう。レッグによっては脚先にグライズと呼ばれるキャップが付いていて、ヴィンテージの状態を見る一つの目印になっています。なお、レッグやグライズにもヴィンテージと新品があります。価値のあるヴィンテージを選ぶのもよし、ガシガシ使いたいから現行品を選ぶのもよし。せっかくなら何年に製造されたシェルなのか気になりますよね。そんな時はシェルの裏のロゴを見てください。ロゴの種類で年代が分かります。

なにやらチェックポイントが多いシェルチェアですが、裏を返せばそれだけたくさんの組み合わせを楽しめるということ。昔買って倉庫に眠っているシェルチェアも、今の生活に合わせてレッグを替えればまた使うことだってできます。いっぱい悩んで、自分だけのお気に入りの一脚を買ってみてください。そこから、憧れの“ミッドセンチュリーライフ”を始めましょう!

●辻田翔哉(本誌担当編集)
BRUTUS 883号:From Editors
BRUTUS 883号:From Editors
シェルチェアカタログを作るにあたり、36脚ものヴィンテージのシェルチェアを貸してくださった上野中央通り接骨院さんの院内。待合室や診察スペースに貴重なヴィンテージのミッドセンチュリー家具がたくさん! 以前は施術台にイームズのラウンジチェアを使っていたのだとか……。


ブルータス No. 883

Mid-Century in Our Life

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