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カルチャーの始まりは、いつもお店から。 From Editors No.935

From EditorsNo.935 フロム エディターズ

カルチャーの始まりは、いつもお店から。

1冊を通してさまざまな“始まり”を取り上げた今号の中でも、印象的だったのが、一時代を築いてきた「始まりの店」を取材した企画。アメカジ、パンク、ミリタリーなど、今となっては当たり前のファッションジャンルも、初めて日本に取り入れた店の存在があってこそ。カルチャーの震源地となったお店で、当時何が起きていたのか? そして今なお息づく理由は? 深い歴史があるだけに、強烈な個性を放つ店ばかりでしたが、企画のきっかけにもなった原宿〈PINK DRAGON〉は格別でした。

キャットストリートの入り口に聳え立つピンクの巨城に、恐る恐る足を踏み入れました(通るたびに気になっていましたがちょっと怖くて入れずにいました)。店内にはオープンから変わらないというロカビリースタイルのアパレルや雑貨、光り輝くネオン、謎のアーティストによるオブジェに、ドラゴンのミイラの展示室……。なるほど、ただのアパレルショップとはワケが違う。さらに、地下と2階の元レストランフロア(今は使われていない)も取材時に見せてもらいましたが、内装から什器まで、半端じゃないこだわりように感服。極め付けは、店のオーナーの山崎眞行氏が生前に暮らしていた屋上のペントハウスだ。フォーマイカテーブルにビニール張りの椅子、ネオンが仕込まれた特注のオーディオシステムが設えられた住まい。ここが原宿カルチャーを作った男の終の住処なんだ、と思うと身が引き締まりました。「山崎は飽き性で、この建物も何回も改築してるんです。表にある金の卵も後から作ったものだし、2回に繋がる外の階段もそう。1階の売り場なんて、当時と全く違う雰囲気になりましたね(笑)」と、寝室に飾られた〈PINK DRAGON〉の竣工当時の完成予想図を見ながら、現店長の高橋誠一郎さんが語ってくれました。建物の改築だけでなく、スタッフでバンドを組んだり、日本・タイ・イタリアと各国の料理店を作ったり、常に新しいことに挑戦してきた〈PINK DRAGON〉。ただそこには強い信念とブレないスタイルがあり、その姿勢が伝説たる由縁なんだと思います。

そのほかにも、ロンドン・パンクファッションの発信地、日本初のライフスタイルショップ、本物の軍モノを扱う商店など、特別な「始まりの店」を集めました。ファッションカルチャーの始まりの一ページを、店の歴史から読み解いてみてください。

●辻田翔哉(本誌担当編集)
BRUTUS 935号:From Editors
店舗屋上、山崎氏の元住居。マイアミのモーテルをイメージして建てられたという〈PINK DRAGON〉と同じくアメリカンなデザイン。当時はプールも併設され、スタッフの遊び場になっていたそう。現在、スタッフ一同で部屋を綺麗にしている最中で、いつかここでイベントが開かれるかも!?


ブルータス No. 935

始まりの服

800円 — 2021.03.15電子版あり
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ブルータス No. 935 —『始まりの服』

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