マガジンワールド

From Editors No. 780 フロム エディターズ

From Editors 1

いつでも、どこでも、おいしい酒場。
世界中、酒場化が止まらないのです。
2011年に担当した「おいしい酒場」特集。巻頭で紹介した〈アヒルストア〉を筆頭に、東京を中心とした、小さいけれど個性のある酒場たちをたくさん紹介しました。当時「酒場」という言葉には、一般的にはホッピーと焼きとんのような「大衆酒場」のイメージがあったのですが、〈アヒルストア〉の出窓の下の黒板にあった「ワインを気軽に楽しめるデイリーな酒場です」という一文が、あたらしい酒場特集をつくりたいという原動力となったことを今でも覚えています。

あれから3年。当時紹介した店は相変わらずの人気を誇っていますが、彼らに追いつこうと、いや、彼らのような自由な酒場をつくりたいと、たくさんのおいしい酒場ができていました。またそれは、東京だけでなく、大阪や京都、さらに佐渡やつくば、パリまで全世界的に。大阪〈パセミヤ〉では、キャベツからソースまでオーガニックな食材を使ったお好み焼きとジョージア(グルジア)ワインを。京都〈大鵬〉では豚足に白ワインが合うことを知りました。神戸〈Sante!〉で明石海峡大橋を眺め夜風に当たりながらヴァン・ナチュールを、福岡〈二〇加屋長介〉で〆のうどんを。つくば〈da DADA〉ではワインと竹鶴の燗をBack to Backでぐびぐび頂き、つくばエクスプレスの終電に乗り遅れそうになりました。

佐渡のワインバー〈ラ・バルク・ド・ディオニゾス〉にて、店のオーナーにしてフランスの有名ワイン生産者であるジャン=マルク・ブリニョさんと恵比寿〈ワルツ〉大山恭弘さんと呑んだある夜。ジャン=マルクの言ったひとことが忘れられません。人生に大切なことはたった3つ。よいワイン、よいフード、よいベッドだ、と。こりゃあ、酒場通いは当分やめられそうにありません。

特集巻頭でも紹介している、明石海峡大橋たもとの移動ワイン酒場「Sante!」。 本編では日も暮れた時間の写真を掲載していますが、夕暮れ時もまたいいんです。
特集巻頭でも紹介している、明石海峡大橋たもとの移動ワイン酒場「Sante!」。
本編では日も暮れた時間の写真を掲載していますが、夕暮れ時もまたいいんです。


●田島 朗(本誌担当編集)
 

From Editors 2

素朴で自由なお酒、
ヴァン・ナチュールと純米酒の世界を
Book in Bookに。
酒場特集の担当を命ぜられた私、20代の時はほとんど下戸でした。あるきっかけで、お酒をちょっとずつ飲めるようになったのですが、それは、ヴァン・ナチュール(いわゆる自然派ワイン)との出会いでした。6〜7年ほど前のことだったでしょうか。六本木の〈祥瑞〉というお店に行った時、赤いキツネならぬ、オレンジ色のキツネのエチケットのついたスパークリングワインに出会ったのです。私には珍しく、スルスルと飲めたそのオレンジ色した液体は、見た目もなんだか可愛いし、お店の方に造り手さんの名前と種類を教えてもらい、すぐさま注文したのでした。当時はそう気づきもしなかったのですが、思い起こせば、それがヴァン・ナチュールとの出会いでした。以来、周囲に好きな人が多かったのもあって、友人と集まる時はほとんどナチュール。

そしてこの冬の終わりに駒沢大学の〈ミャンカー〉に行った時に、ヴァン・ナチュールと純米酒を行ったり来たり吞ませてもらったり、純米酒のお店で偶然ナチュール好きの友人達に会ったり。そんなこんなで、素朴で自然で自由な造りのお酒、ヴァン・ナチュールと純米酒の世界が以外に近いのかも……と思い、その2種のお酒にこだわっているお店を紹介したいと思って作ったのが、今号のBook in Book「ヴァン・ナチュール&純米酒 全国厳選酒場アドレス88」です。東京のみならず、関西、そしてその他の地方まで。旅や出張のおともに使えるガイドになりました。

Book in Bookだけでなく、今回の特集では、お酒を巡る旅に行きたくなる情報が満載です。私も、この夏は全国津々浦々、ヴァン・ナチュールと純米酒の旅に出たいと思います。

オレンジのキツネのボトル、たまに花瓶にしてみたり。自宅でして、酒場ではないですが。
オレンジのキツネのボトル、たまに花瓶にしてみたり。自宅でして、酒場ではないですが。


●草野裕紀子(本誌担当編集)
 
ブルータス No. 780

もっとおいしい酒場

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