マガジンワールド

From Editors No. 819 フロム エディターズ

From Editors 1

やっぱり犬が好き。

と言いましたが、実は今まで犬を2匹と猫を2匹飼ったことがあります。もちろん、みな愛していました。でも、やっぱり犬が好きなんです。猫の、あの、ツンデレな良さもわかります。大人になって飼ったシャム猫のステラは、遊ぼうとしてもノリ悪いくせに、夜、寝ようと電気を消して10分経つとそっと布団に入ってくる子でした。でも、やっぱり、犬が人間に注ぐひたむきな愛の感じとか、無駄にはりきっちゃう感じとか、怒るとかわいそうになるくらいしゅんとしちゃう感じとか、そういうところに心動かされてしまうのです。私の小学校入学祝として我が家にやってきた柴犬のゴロは、散歩中に転んだ私の膝を泣き止むまで舐めてくれたり、親に怒られて家の外に出された時も横にいて暖めてくれたり。とにかく優しかった想い出ばかりです。

……そんな、犬を飼う人なら誰もが持っているであろう、犬との心温まるエピソードを、今回の特集に詰め込んでみました。巻頭の、柴犬まると秋田犬わさおが出逢うストーリーは、彼ら犬同士の友情物語であると同時に、飼い主さんたちがどのように接してきたかを知ることのできる物語でもあります。「名犬物語」のページでは、こんなにも賢い犬たちが人々を救っていたことに驚き。国内外から2,000通近い応募を頂いた愛犬の投稿写真企画では、読者の皆様ひとりひとりの愛犬への想いにホロリ。そしてマンガ「きょうの猫村さん」のほしよりこさんには、今回の特集のために「BRUTUSのバイト犬 犬井けん」を描き下ろしてもらいました。憧れの猫村さんのように早く一人前になろうと頑張る犬井くん。その姿を見ていたら、いつもにこにこと尻尾を振っていたゴロのことをまた思い出しちゃいました。やっぱり、僕は犬が好きだなぁ。

 
●田島 朗(本誌担当編集)
年末年始に実家に帰った時に見つけた1枚。大雪が降った日、家の近所でゴロと戯れる私。
年末年始に実家に帰った時に見つけた1枚。大雪が降った日、家の近所でゴロと戯れる私。



From Editors 2

愛猫家よりも複雑?
愛犬家たちの“ウチの子”偏愛。

愛猫家と愛犬家の違いについてよく言われることがあります。
それは「猫好きはすべての猫が好き」だけど「犬好きはウチの犬が好き」ということ。チワワならチワワだけが、柴犬なら柴犬だけが好き、というように愛犬家は犬種によって愛情の偏りがあるということです。雑誌の特集などでも猫特集のほうが多く目につくのは、犬特集より読者を囲いやすいという理由があるのです。たぶん。

そんな愛犬家の偏愛っぷりをたっぷり見せてもらおうと、本誌では犬種別に愛犬家の座談会を実施しました。気づいたのは、犬種によって個性というか、長所・短所があるのですが、愛犬家は短所ですら愛してしまうということ。ポメラニアンの抜け毛掃除は手間なはずなのですが、味噌汁の中に毛がまぎれこんでても「こんなところにも◯◯ちゃんが〜」と喜んだり。しつけが難しく、なかなか愛想も見せてくれない柴犬を「自立心があるからだ」と前向きに受けとめ、たまにしっぽ振られてあっけなくツンデレされたり。正直、100%は共感できなかったけれど、愛情の深さだけは強く伝わってきました。

そんな飼い主の愛情がたっぷり注がれた犬たちがたくさん出てくる特集です。ぜひ一度手に取っていただければ幸いです。(結局、「ウチの犬がいちばんかわいい!」ということになるかもしれませんが)

 
●中西 剛(本誌担当編集)
パグの愛犬家の方々。「鼻の上のシワに食べクズが挟まって臭い。でもその匂いが好きになる」とか、どうにも飼い主以外には理解しがたい魅力を挙げて、共感し合ってました。
パグの愛犬家の方々。「鼻の上のシワに食べクズが挟まって臭い。でもその匂いが好きになる」とか、どうにも飼い主以外には理解しがたい魅力を挙げて、共感し合ってました。


 
ブルータス No. 819

犬だって。

662円 — 2016.03.01
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ブルータス No. 819 —『犬だって。』

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