From Editors No. 825 フロム エディターズ
From Editors 1
お菓子の話はいつも尽きない。
いや、本当に。
さくさく、カリカリ、ポリポリ、もちもち…、普段なにげなくツマんでいるお菓子について、一冊まるごと特集しようというのが今回の『おいしいお菓子』です。甘い、辛い、塩っぱい、すっぱい、最近の人気に「甘塩っぱい」というジャンルもありますが、とにかくおいしいお菓子を知りたいし、食べてみたい。「このお菓子、知ってる?」と、みんなの話のタネになるような一冊をと考えました。お菓子の話って、楽しいですからね。
39人の方に聞いた大好きな定番お菓子、お菓子を巡る地方への旅、海外で注目のムーブメントや、日本のスナック菓子クロニクル、かっこいい箱詰め菓子など、特集の企画出しもおかしいくらいに尽きませんでした。
特集をつくりながら、個人的に夢中になったのはこの2つ。みうらじゅんさんオススメの「すっぱムーチョチップス さっぱり梅味(湖池屋)」と小山薫堂さんオススメの「大師巻 醬油(堂本製菓)」です。さすがのお菓子セレクション。どちらも食べ始めたら、止まらないんです。気づいたら全部食べちゃった! やっぱりこれが、おいしいお菓子の絶対条件かなあという気がします。
From Editors 2
人はなぜお菓子を食べるのか?
こんな理由の人たちもいます。
お菓子といえば、嬉し楽し大好きです。それは間違いない。ただ、それだけではないという人もいるんですよね。
以前から、将棋の名人戦などを見ていて気になっていたことがあるんです。棋士の人って、つばぜりあう真剣勝負の合間に、ケーキとかシュークリームとかおやつ食べてますよね。あれ、なんだと。棋士はみんな甘党なのかと。
それで今回の特集で、現役高校生でプロの女流棋士でもある竹俣紅さんに聞いてみたんです。竹俣さんも対局にはポーチにたっぷりチョコレートを詰め込んで挑むらしいのですが、実はそこにはただ甘いもの好きというだけではない、ハードな理由があって。静かな戦いの印象の将棋ですが、プロの対局にもなると、頭の中はもうフル稼働で激しく動いているため、脳にブドウ糖を送り込まないと考え続けることができなくなってしまうというのです。竹俣さんも、チョコレートを補給しながらでも、対局が終わると2kgくらい体重が減っているというのだから壮絶です。もはやアスリート。
「勝負」のためにお菓子を食べる(食べなくてはならない!)っていうのは、メタボから生じる背徳感と戦いながら、それでもついついお菓子を食べて喜んでいるような私からすると、なんだか羨ましい話です。
From Editors 3
奈良で見つけた、町で愛されるお菓子屋さん。
奈良のお菓子を巡る2人の旅について、詳細は本誌をご覧下さい。