From Editors No. 829 フロム エディターズ
From Editors 1
夏の旅の目的地は、
「商店街」でどうですか?
この夏のショートトリップのすすめ、ただし目的地は商店街です。街イチバンの酒場を旅の入り口に、時間をかけて何軒かハシゴをしたり、総菜やスイーツ、その土地のお土産さがしに流れてみたり。ホッピングするように、その街と、その街に残る流儀を楽しむ。そんな遊び方がいまとても気分です。
考えてみると、自分が暮らしている街、働いている街、そしてよく行く繁華街のことはなんとなく知っていても、生活(ライフスタイル)の範囲の外の、「とある街」については意外にいろいろ知らないものです。魅力的な街はこんなにたくさんあるのに。そしてその場所が自分の生活圏からそんなに離れていなかったりもするのに。
今号は、東京を中心に横浜の野毛を加えた、14の街のタウンガイドです。商店街にある名店をはじめ楽しみ方をたっぷり詰め込みました。この夏はブルータスを片手に、商店街へショートトリップしてみるのはどうでしょうか。意外な出会い(ポケモンふくむ)もあるかもしれませんよ。
From Editors 2
一口に商店街といっても、
ホントにいろいろです。
立石は名店と呼ばれる老舗の酒場が点在し、しかも昼から開いているのでハシゴが楽しい街。メニューもなく、注文の仕方もわからないような店もありますが、常連さんに教えてもらっているうちにだんだん“通”な頼み方ができるようになると、どんどん深みにハマることに。酒場だけでなく、総菜屋や喫茶店など、昔ながらの雰囲気のある店が多く、いつまでも歩き回っていられそうです。
松蔭神社前も古くからの商店街がありますが、近年若い料理人や経営者が続々と店を出していて注目されているエリアのひとつ。ゼネコン主導の急激な再開発ではなく、老舗と共存しながら、穏やかで健全な街の新陳代謝が起きているよう。コミュニティのつながりも強く、蚤の市などのイベントや企画も活発に行われていて、これからの商店街の理想の形にも思えます。
大井町は商店街というよりも横丁ですが、駅の東口を出てすぐにある50メートルくらいの路地「東小路飲食店街」。ここ、魔窟。ツッコミどころの多すぎる店が多すぎて(たこ焼き焼いてくれないたこ焼き屋なんかもあったな)、酔いの回りが早いです。店主も常連客もヘンな人ばかりで(きっと妖精なのかも)、でもそれが楽しくて居心地良すぎ。初めてだろうと、おひとりさまだろうと、あっという間にその魔力に取り込まれることでしょう。
というように、一口に商店街といっても個性はバラバラ。共通するのは、どこも通うほどに、どんどん魅力を感じるようになることです。実際、私も今回の特集で何度となく通ううちに、「あそこは俺の街」と言ってしまうほどにハマってしまっています。ぜひ一度といわず、何度か街を訪れてみてください。