成功体験をさせてくれる店に良いお客が集まっています。 From Editors No.843
From EditorsNo.843 フロム エディターズ
成功体験をさせてくれる店に
良いお客が集まっています。
あるお店で買い物をしたら、数日後に接客をしてくれた販売員から心のこもったハガキが届く。「本日、ご購入いただいたニットは、本当によくお似合いでした。1年前にお買い上げいただいたパンツにも合うと思いますよ」。ECショッピングが盛んな現代でも、こういったコミュニケーションは健在なのです。セールストークかもしれないけど、自分の好みやワードローブを把握してくれる人がいて、オススメが的確であれば、そのお店で買い物をする明確な理由になりますよね。
ところが、熱に浮かされたように買い物をしたのに、空虚感に苛まれることもある。物欲を満たすことはストレス解消になるけど、買ったものの値段に関わらず、物足りなさを感じたり後悔の念に駆られたり。ものの本によると「2〜3日放置して、それでも欲しかったら買おう」とあったけど、“すぐ買わずに迷うくらいなら、いらない!”と買い控えに走ってしまう心理も理解できる。本来、買い物はもっと楽しいコトだったよね? 衝動的で、刺激的で、狩りのような行為だったよね? と、いろいろ考えているうちに、個人的な買い物原体験が頭の中を駆け巡った。はて、価値ある買い物ってなんだろう?
「長引く不況のせいで皆が失敗を恐れている」と、先ほどの販売員は語ってくれた。限られた予算の中で精度の高い買い物した時の“成功体験”が、買い物する人々を次のショッピングに導くというのがその人の持論。そのためのお手伝いをしているのだと。物が、服が、売れないと言われるなか、最高の買い物体験を提供しようと奮闘しているお店があります。実店舗、ECに関わらず、良いお客さんを集め、売り続けている店や人を取材しました。当然、取材する私たちの財布も緩みがちだったわけですが。。。買う側にとっても売る側にとってもハッピーな1冊になればと願っています。