ベトナムの楽園文化に見る面白さ。 From Editors No.845
From EditorsNo.845 フロム エディターズ
ベトナムの楽園文化に見る面白さ。
ベトナムの都市〈ダナン〉を取材してきました。ベトナム中部のリゾートブームで旅行客が増加し、昨年から運行を開始したベトナム航空の直行便に乗って。現地到着は月曜の夜8時。タクシーでホテルに向かう途中、そこは3月の夏の宵。街は活気に溢れ、カフェでは人々が週末のごとく料理と音楽に酔いしれている。楽園に来たんだな、すぐにでも街に出かけたい、そう思わせる魅力です。翌朝からはダナン、ホイアン、ランコーに点在するリゾートと、周辺の街に出かけて取材を。東京では思い出すこともなかった気だるい夏バテを繰り返しながら、より素朴な北へと上っていく。面白く感じたことは、ホテルもスパも食堂も市場も、目に見える部分はとにかく女性でまわしていること。男性はどうかと言えば、仕事のかたわら昼から街のカフェに大集合し、ダベッている。もしくは揃ってスマートフォンを覗き込んでいる。見たことのない光景。それが文化であり、土地の味なのだろう。成田に到着してスマホの電源を入れると、ひっきりなしに留守電のお知らせ。何事かと聞いてみると「また来てくださいね~(若干は推測)」と、御世話になったホテルの女性たちの可愛いベトナム語が延々と。アフターサービスに、夢の続きがこぼれ落ちた。
●︎︎︎神谷幸世(本誌担当編集)