どこで、誰が、何を着るのか。 From Editors No.855
From EditorsNo.855 フロム エディターズ
どこで、誰が、何を着るのか。
大先輩のスタイリストは「毎日違うものを着ているのに、イメージが変わらない人」が一番おしゃれだと言いました。それを聞いてすぐに思い浮かんだのがvisvimの中村ヒロキさん。もちろん、俳優並みのフォトジェニックなルックスで強烈な印象を残す人なのだが、彼のスタイルはいつだってみんなの憧れであり、ブランドの方向性を体現している。
今回のファッション号では、中村さんのアイデアで始まったページがある。「すべてのディレクションを中村さん以外の人間に任せ、ロンドンで撮影する」というブランドにとっては全く新しい試み。デザイナーのイメージを前面に押し出しながらシーズンを重ねてきたvisvimとしてはトライアルなのだ。
LA在住の中村さんによる日本らしい服作りで生まれたアイテムたちが、ロンドンでどのように映るのか。つまり「場所」がキーワードだ。ロンドンらしい地元の男女モデルをチョイス。これは「着る人」とのマッチングが重要。そして、ロンドン在住のスタイリストStephen manがディレクション。「何を」着るかについてもこれまでとは違う新しい驚きがあった。まさしく、特集のテーマ「場所・人・服」と合致しているのだ。
そのトライアルの成果は、今回の表紙と、p198〜の「corbridge cresent」(撮影したEast Londonの通り名)にまとまりました。イーストロンドンで撮り下ろされたvisvimの服たちは、これまでとは違う、新たな魅力を発信していますよ。是非!
●︎︎︎鮎川隆史(本誌担当編集)