いまどきのリアルな格好良さってなんだ。カッコいい人たちに、聞いてみると。 From Editors No.855
From EditorsNo.855 フロム エディターズ
いまどきのリアルな格好良さってなんだ。
おしゃれな人たちに、聞いてみると。
性差さえ超えた個性豊かなファッションが街を彩っている。トレンドはこれだ、と一概には言いにくい時代だが、どんな服装をしていても、おしゃれだな、と思う人はいる。服が似合う人には理由がある。その決め手とは何なのか。この3ヶ月間、さまざまな人に話を聞きながら、ずっと考えていた。
例えば、スタイリストの熊谷隆志さん。迫力の体躯に、レオパード柄のジャケット姿。存在感は圧倒的だが、まったく違和感はない。おしゃれだ。なるほど、彼が口にする“似合うの決め手”は「サイジング」。実際、今回の取材でサイジングを着こなしのキモに挙げる人は多数。体格は千差万別。自分に合ったサイズ感は、おしゃれに見せる基本だろう。もっといえば、時代に合ったサイズ感もあるはずだ。
山本耀司さんは、自分の服を「ちょっとゆるくて、着た人が何者かわからなくなる服」と評する。布の分量を大事にし、一貫してオーバーサイズの服作りをしてきた。曰く「男服の細かいディテールが、めんどくさくてしょうがない」。今の時代感にも合った服は、実は年齢を問わず似合う服。
とっておきの愛用品を見せてくれた、各界の大御所たち。長く愛用するもの=自分に合った、馴染んだもの。TUBEの斉藤久夫さんは、お気に入りのグレイフランネル生地のパンツを、形を変えて30年近く穿き続けているという。気に入ったモノを大事に使う、というのも、“似合うの決め手”のひとつかもしれない。
人、アイテム、スタイリング。他にもさまざまなアプローチで“似合うの決め手”に迫った今回の特集。いまどきの格好良さってなんだろう。そのリアルがわかるはずです。
●︎︎︎星野徹(本誌担当編集)