道具を選んでいるときに、頭の中はひと足先に大自然。 From Editors No.871
From EditorsNo.871 フロム エディターズ
道具を選んでいるときに、
頭の中はひと足先に大自然。
不況になると、アウトドア業界は潤うという通説を耳にしました。一度、道具を揃えてしまえば、何度でもフィールドに出られるし、友達や家族との絆も深まる。インテリアとして楽しめたり、有事の防災グッズとしても役立つと聞けば、それが立派な“買う口実”となり、財布の紐が緩むのかもしれません。そもそもアウトドア用品は、機能的でデザインも良く、カラバリも豊富。新製品も多いし、数年経てばマイナーチェンジも当たり前です。常にクオリティを高めるアップデートが繰り返されているのも魅力の一つですよね。もちろん、何十年も変わらないアイテムや、生涯保証のヘヴィデューティーものも、手元に置いておきたいアイテムばかり。
なので、今回はカタログのような特集を作りました。アウトドアを楽しむ人は、その多くをギア選びに割いているのではないでしょうか? 使っている自分を想像すると、頭の中は一足先に大自然に踏み込んでいる感覚になるので、また楽しいのです。フィールドでは失敗を繰り返しながら、最適な装備やパッキングを探って行く作業。そして、使い終わった道具には、たくさんの想い出が詰まっています。一緒に出かけた場所や、使った状況、ときには失敗談なんかも。それだけに、アウトドアの道具は、特に大切にする人が多いような気がします。
最近は、海外通販やネットショップが流行っています。でも、お店に足を運ぶメリットはまだまだあります。スペックだけでは分からない商品の手触りやスケール感。それを使い比べたスタッフのインプレッション。近隣のフィールドで使うことを想定したアドバイス。ネットでは知り得ない情報を手にすることができます。家電量販店で冷蔵庫を選ぶ時、各メーカーの歴代機種を知り尽くした店員さんのアドバイスが、とても参考になることがありますよね。それに近い感覚かもしれません。特集内の道具紹介には、スペックからは読み取り辛い、“ギア選びのツボ”が散りばめられています。ぜひ参考にしてください。
ところで、本屋さんに行くとアウトドア系の雑誌はジャンル別に作られていることに気付きませんか? 山岳系、トレイル系、キャンプ系など。“総合アウトドア誌”は見当たらないんですよね。今回の特集は、キャンプとハイクが軸になりますが、少しでも垣根を取り払いたいと思って作りました。豪華装備のオートキャンプに行き、そこをベースにウルトラライト装備でハイクしても良いと思うのです。自由な楽しみ方で、たくさんの思い出を作れますように!