そうです、美容男子ではありません。人に不快感を与えないための身だしなみの特集です。 From Editors No.876
From EditorsNo.876 フロム エディターズ
そうです、美容男子ではありません。
人に不快感を与えないための身だしなみの特集です。
気持ちはまだ若いのだけど、どうにも、着々と、おじさんクサくなってきている四十代。日々一緒に過ごしている嫁や娘がクサいクサいと声を揃えて言うのだから残念ながらそうなのだろう。だから、このグルーミング特集を機に、いままで僕の生活の中にはなかった本当にいいものを買ってみることから始めてみた。
石鹸はヤエカの服部哲弘さんが紹介してくれたマリウス・ファーブル社のマルセイユ石鹸。立派な木箱に入った長さ38cmのビッグバーは、向こう2年は余裕で使えそうな塊である。値段は1万円くらいするけれど、この量を思えば安いもの。主原料はオリーブや塩、ココヤシで、泡立ちもいいし、洗った後もしっとりするのがいい感じ。粘土のような素朴な匂いも逆に体には良さそうである。
取材をさせていただいた女性陣から大いにご指摘を受けたのは、頭皮の匂い。おじさんはもはやすれ違うだけでも女性たちに強烈なダメージを与えるらしい。薄々感づいてはいたけれど……。でも、大丈夫。神宮前のヘアサロン、ツイギーのヘアトニックを使えば、そんな匂いともお別れできると聞き、すぐに買って使い始めた。お風呂上がりにマッサージしながら使っているのだが、気持ちがいいし、香りもいい。効果はあると期待したい。
パピエラボの江藤公昭さんが使っていたサンタ・マリア・ノヴェッラのマウスウォッシュも気になって、編集部から近い銀座のお店に買いに行くことにした。ミントとハーブがあって、江藤さんはミントを使っていたけれど、僕はさんざん匂いを嗅がせてもらって、ハーブを選んだ。数滴をグラス一杯の水に薄めて口をすすぐのだが、適度に爽快。ドラッグストアで普通に売っているものはちょっと刺激が強すぎるので、これくらいがちょうどいいと思った。
あと、松浦弥太郎さんが紹介していたナリンのハーブオイルも最高で、手に適量をつけて肩、首、こめかみあたりに揉みながら馴染ませると爽快感がものすごい。これを夜な夜な塗りながら、この号も乗り切った。松浦さんも言っていたが、花粉症にもいいらしい。僕は重い花粉症持ちなので、来年これを使うのが楽しみになった。
こんな具合に、ここでは書ききれないほど、たくさんのケア用品を買ってしまった。でも、美容男子になりたいわけではまったくなくて、あくまでも身だしなみのためである。高輪 手島理髪店でやってもらった爪磨きも、思った以上にピカピカになったので、かなり嬉しくなったが、あくまでも健康的な指先でいたいだけである。
僕がいま最も行ってみたいのは、ニューヨークのミッドタウンにあるMANHATTAN BEAUTYだ。トリマーやシェーバーなど、海外ものはデザインもかわいいものが多い。ちなみに、このお店は校了後に知ったので、取材はしてないです。が、ニューヨークに行かれる方がいたらぜひ。美容男子にはたまらないらしい(笑)。