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ロンドンを知れば世界が分かる。 From Editors No.878

From EditorsNo.878 フロム エディターズ

ロンドンを知れば世界が分かる。

イギリスといえばメンズファッションの聖地です。だけど、私が担当し始めた2012-13AWファッション特集号以降、特に大きくフィーチャーしてきませんでした。サヴィル・ロウに始まり、スウィンギング・ロンドン、パンクやモッズ、はたまたロイヤルワラントにポール・スミスなど、様々な媒体でいろんな特集が組まれてきただけに、二の足を踏んでいたのも事実です。そこで、ブルータスは最新のロンドンを知ることに目的を絞り特集をつくることにしました。タイトルは潔く「LONDON 服の学び場」に。

きっかけは、2017-18AWファッション号の撮影で訪れた、ロンドンでの撮影でした。スタイリストのスティーブン・マンと〈visvim〉のシューティングをする為に集まったスタッフの仕事ぶりや、彼らのファッションに対する情熱に、大いに刺激されたのです。街を歩く人のファッションも素敵だし、レストランの味も格段に上がっている。ユーロ離脱やロイヤルウェディング。ブランドの休止を悲しんでいたら、一方ではMade in UKの復活など。目や耳にする情報は何やらザワザワと動きを感じることが多く、面白いことが起きていそうな予感がしたのです。半信半疑で企画をスタートさせたものの、結果的には“ロンドンの正解”がたくさんありました。インタビュー中心の取材は、ロンドンならではの個性豊かな顔ぶれになったと同時に、世界のメンズファッション界の縮図を見ているような一面もあり、多くの学びが得られたと思います。企画、取材、編集、執筆ではUA&SONSのPOGGYこと小木基史さんにも参加してもらいました。社員からフリーランスになったという情報を聞きつけ、協力を仰いだのです。ロンドンの街中を歩いていても声を掛けられる顔の広さに驚愕しましたが、素晴らしい知見に裏付けられた分析力、文章力にも驚かされました。ぜひご一読ください。

この号の発売日の2日後、リカルド・ティッシによる新生バーバリーが発表されます。誌面に最新のアイテムを載せられなかったのは残念ですが、ブルータスだけの面白い仕掛けが見られますよ。お楽しみに!

●鮎川隆史(本誌担当編集)
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初日に観に行った音楽フェス「LOVEBOX」。ラインナップはあるが、タイムテーブルは発表されていなかった。
BRUTUS 878号:From Editors
取材したテーラーのマイケル・ブラウンが使用していた日本製のチョーク。実は信國大志さんがプレゼントしたものだと、帰国してから知った。


ブルータス No. 878

LONDON 服の学び場。

713円 — 2018.09.15
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ブルータス No. 878 —『LONDON 服の学び場。』

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