マガジンワールド

“生まれた時からハンドドリップ”、自由に広がるコーヒーの世界を知る。 From Editors No.885

From EditorsNo.885 フロム エディターズ

“生まれた時からハンドドリップ”、
自由に広がるコーヒーの世界を知る。

朝からハンドドリップ、2杯3杯当たり前という大のコーヒー党の両親のもとで育ちました。銀座の職場近くでは、お気に入りの喫茶店を巡回しています。スペシャルティコーヒーも飲むけど、どちらかと言うとブレンド&深煎り派。え、そんな奴がブルータスのコーヒー特集作ってんの?
とお思いになるかもしれませんが、だからこそというか、今回の特集には、まっさらな気持ちで取り組むことができました。
まず訪れたのは、昨年5月、カプセルホテル〈nine hours赤坂〉の1Fにできた〈GLITCH COFFEE BREWED〉です。シングルオリジンの産地個性を強く感じられる飲み比べメニューで、コーヒーのベリー感や柑橘感の洗礼を受けます。コーヒーについてくるカードには、味わいの構成要素が書いてあって、ワインを味わうのと比べられることが多いということにも納得。
半蔵門のオフィス街の中にあるマイクロロースター〈JUPITERS COFFEE ROASTERS〉では、卓上コンロで熱する小さな焙煎機にびっくり。200gのオーダー焙煎も受け付てくれるので、ギフトにもぴったりなんですって。
そして京都のホテル〈ENSO ANGO〉では、丹波篠山の炭火焙煎ロースタリー〈DNF COFFEE STUDIO〉の水出しコーヒーを。こちらでは、苦味の効いたコーヒーとともに朝のバスク料理ブッフェが楽しめます。
それぞれに個性的ですが、これらは今回ご紹介するコーヒーを楽しめるお店の、ごく一部です。
サードウェーブ以来の浅煎りシングルオリジンと深煎りブレンドの対立構造も今や昔。これからもっともっと広がったり、深堀りされたり、多様になっていくのではないか、そんな予感がする1冊になりました。

●草野裕紀子(本誌担当編集)
BRUTUS 885号:From Editors
〈GLITCH COFFEE BREWED〉の飲み比べメニュー。産地、味わいと香りが書いたカードが添えられる。
BRUTUS 885号:From Editors
〈JUPITERS COFFEE ROASTERS〉のミニロースター。オフィス街のスモールスペースでフル稼働。
BRUTUS 885号:From Editors
〈ENSO ANGO〉の水出しコーヒーマシーン。宿泊者は朝からダイニングやラウンジで楽しめる。


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