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なぜその絵を選び、語るのか。会田誠の視点を共有しよう。 From Editors No.886

From EditorsNo.886 フロム エディターズ

なぜその絵を選び、語るのか。
会田誠の視点を共有しよう。

読めば自明ですが、この特集の肝は会田誠さんの作品解説の面白さに尽きます。セレクトは会田さんにとっての「ベスト100」ではなく、なかには痛烈にディスっているようなものもあります。ただ、偏愛にしろ批判にしろ、「そこ?」というような目のつけどころは、ちょっと凝り固まっているかもしれない私たちの美術鑑賞の常識に、風穴を開けてくれるものになっているかと。そしてその風穴、なんか爽快なんです。

特集冒頭のステイトメントのなかで、セレクトした100作品について「ほとんど教科書通りのラインナップ」と会田さん自身はおっしゃってますが、誰もが知っている作家の作品でも「そっち?」と思わせるようなものも。念のために、「この画家ならこっちの作品のほうが代表作ですが……」と提案しても、「いや、そのままで」というようなやりとりもありました。特集を通して、会田さんがなぜその絵を選んだのかを想像しながら読んでいると、なんとなく会田さんの美術家としての視点に近づける気もします。実際、会田作品には日本の古い絵を参照しながら現代美術に置き換えたものが多くあるので、それらを鑑賞するのもより楽しくなるのではないかと。

そして、会田セレクト&解説を堪能したら、今度は“自分なら”という目線で100作品選んでみるのも面白いかもしれません。

●中西 剛(本誌担当編集)
BRUTUS 886号:From Editors
作品制作などで超多忙な時期でしたが、会田さんには一緒に取材にも行ってもらいました。写真は和歌山・無量寺の串本応挙芦雪館にて。表紙の長沢芦雪の襖絵《虎図》を撮影したのはこの寺の本堂です。


ブルータス No. 886

死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100

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