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今の大阪では、ミッドタウンで立ち飲みが正解です。 From Editors No.911

From EditorsNo.911 フロム エディターズ

今の大阪では、ミッドタウンで立ち飲みが正解です。

じつは、仕事でスポットスポットに行くことはあっても、大阪の町について、ほとんど知りませんでした。最初のロケハンに行った時に、関西出身の先輩に「なんで大通りのことを“筋”っていうんですか?」って聞くほど。でもその問いに「考えたことなかった」って言われて、大阪の人には当たり前でも、外からみたら不思議なこと、たくさんありそうだな、東京モンから見た違いを浮き彫りにして行けばいいんだな、と思いながら取材に突入しました。探してみると、東京には数少なくなった情緒あるレトロビルが現役で活躍しているし、賑わっている酒場はだいたい立ち飲み。“割烹”や文楽は大阪発祥だから、歴史を掘ってみたら面白そう……。大阪独特のものって、お笑い以外にもたくさんありました。そんな感じで集めた、「正解」の集積が1冊になっています。

広い大阪でも飲み屋カルチャーは外せません。ロケハンを重ねる中で、新旧たくさんの飲み屋街に行きました。ウラなんば、天満、京橋、地獄谷……。そんな中で、今っぽい立ち飲みが集まっているのが、キタでもミナミでもなく真ん中。本町、堺筋本町、北浜のミッドタウンエリアでした。金融や大企業の本社が集まる街ですが、同時に繊維街を擁し、ものづくりに携わる人たちも行き交う場所。

このエリアの立ち飲み化先鞭をつけた大衆酒場、本気の炭火焼き鳥に、ナチュラルワインとガレットの店、レトロビルの1階にできたスパイスの小皿料理の立ち飲みなど。お店の人やお客さん同士のコミュニュケーションも賑々しく、毎日でも通いたい店ばかり。こんなバリエーションのある料理と酒をギュッと凝縮したエリアでハシゴできるなんて、大阪の人、羨ましい! これは絶対に紹介したい! そんな思いで、このエリアに焦点を当てることに。ここにスタジオを構える、デザイナーの柳原照弘さんと、原田祐馬さんにハシゴしてもらいました。大阪を拠点にしながら、普段は日本各地や海外までも飛び回る二人。今回の取材を機に、自分たちのベースが悪くない、いやむしろ良い、と認識を新たにご満悦の様子。記事内では、お二人の漫才のような掛け合いにもご注目ください。

ちなみに、取材で大阪にいる間、大阪の方々に「なんで筋っていうんですか?」って聞き続けましたが、答えられる方は皆無。唯一、東京出身の建築史家、倉方俊輔さんがこちらから聞かずとも説明してくださり、その謎が解けました。気になる方は本誌「建築の正解」にその正解が書いてありますから、ぜひご覧くださいね。

●草野裕紀子(本誌担当編集)
BRUTUS 912号:From Editors
北浜、堺筋沿いのレトロビル「生駒ビルヂング」1階のスパイス立ち飲み〈MAKE ONE TWO〉。毎晩、ギュウギュウの店内。撮影:福森公博


ブルータス No. 911

大阪の正解

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