クラシック音楽、いろんな入り方がありました。 From Editors No.916
From EditorsNo.916 フロム エディターズ
クラシック音楽、いろんな入り方がありました。
大阪の心斎橋に、〈nadja〉というバーがあります。着物をビシッと着こなすママ、玲子さんがカウンターに立つ10坪ほどの店内には、アルテックの巨大なヴィンテージスピーカーが2台。ストーンズやピンク・フロイドなどのクラシックなロックと並んで爆音でかかるグレン・グールドのかっこよさが、私がもっとクラシック音楽を聴いてみたい、と思ったはじまりでした。
さて、クラシック音楽と聞くと、ハードルの高い印象かもしれません。が、映画やCM、フィギュアスケートのバックなどで使われている楽曲は多く、日常で度々耳にしていると気づかされます。今回は、クラシック音楽入門編。もともとそんなに興味ない、と思っていらっしゃる方でも入りやすいように、オーセンティックなベルリン・フィルから、映画「ジョーカー」で今年のアカデミー賞音楽賞を受賞したヒドゥル・グドナドッティルまで、いろいろなタッチポイントを用意しました。
もし、今回の特集を読んで興味を持っていただいたら、ステイホーム期間中にお家で聴いて親しんで、コンサートが再び開催される日が来たら、ぜひ、足を運んで生の演奏を聴いてください。
本欄では僭越ながら、私が今回、特集製作後半のステイホーム期間中によく聴いた3枚をご紹介させていただきます。
【特集を製作中によく聴いた3枚(グールド以外)】
作家の川上未映子さんとピアニストのアンドラーシュ・シフ卿の対談中に、川上さんが言及されています。もっと聴き込んで、川上さんの鑑賞力に追いつきたい。
特集中、「若くてイケてる演奏家」17人の一人として紹介した宮田大さんの最新盤。個人的にチェロの音色が大好きで。
本誌自由なマインドの作曲家や演奏家を取り上げたインディ・クラシックの一枚として紹介した、現代の女性作曲家による「クラシック」。「今こんなことになってるんですねー。」と、「クラシック」の広さ、深さに刮目(耳?)。
●草野裕紀子(本誌担当編集)