お客はお店のために。 From Editors No.925
From EditorsNo.925 フロム エディターズ
お客はお店のために。
自粛期間に再開したジョギング中、ある建物に「店は客のためにある」という顕彰碑を発見しました。思えば、会社帰りにふらっと寄る酒場では、空腹が満たされ、疲れを癒され、ご主人との会話を楽しみ、時には慰められたりすることだって。一杯を飲み干して「あー、私にはこのお店があってくれてよかった!」という思いと共に帰途についたものでした。その碑を見つけた時、つい立ち止まり、休業要請が解除された暁には、大切な存在であるお店の皆さんに、「お客はお店のためにいるよ!」という気持ちを見せたいと強く思いました。
今回、BRUTUSは、dancyuとコラボレーションという形をとり、あえて10月の同じ時期に酒場特集を出すことにしました。私たちが大好きで、いつもお世話になっていて、そして自粛期間で元気が無くなってしまった、酒場のシーンを盛り上げたい、そんな思いからです。BRUTUSでは数年おきに特集してきた「酒場特集」ですが、今回は1年しか経っていません。いわば「緊急特集」です。
制作している間に、東京都の時短営業要請は解除されました。「Go To トラベル」もいよいよ全国に。
みなさん、感染症対策は万全に、ぜひおいしい酒場に顔を出してみてください。そして、ぜひ渋めに黙々と、お酒とお料理を楽しんでください。酒場のみなさんは、いつでも私たちを、待ってくれていますよ!
●草野裕紀子(本誌担当編集)