大勉強時代、到来!? From Editors No.941
From EditorsNo.941 フロム エディターズ
大勉強時代、到来!?
「知力化するサッカー」(P58)というテーマでサッカージャーナリストの結城康平さんに取材しました。なんでも現代サッカー、特に欧州のクラブではデータ分析の重要性が高まっており、専属のアナリストを数多く抱え、その分析結果を監督からスタッフ、プレーヤー内で共有し、戦術やトレーニングを組み立てていくのだそう(こりゃもうすでに「勉強」ですね)。分析マニアの集まるwebにはプロの指導者や元選手が参加し、意見を交わし合うこともあり、インドのある高校生に至っては彼の分析ブログがスコットランドのクラブ関係者の目に留まり、高校に通いながらリモートで分析担当としてクラブに雇用(!)されたというから凄い。そう考えると、世界の大学がYouTubeで講義を、ルーブルはじめ世界の美術館が所蔵作品をwebで公開し、Wikipediaなどのデータベースが充実したデジタル社会は、いわば「知」のオープンソース化の過程であり、現代は多くの人が学びやすい、「大勉強時代」と言えるのかもしれません。学生の頃のように「教科書のここからここまで覚える!」なんて制限はなく(本当はそれが大事だったことを後から知るわけですが)、大人の勉強は興味の赴くままに、どんどん横道にそれたっていいのではないか、と思ったり。というわけで、週末、未知のジャンルの本を読むあたりから始めてみるのはいかがでしょうか。
●斉藤和義(本誌担当編集)