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Special Contents 万国珍奇植物園

“珍奇植物”を基準にして植物園を選びました。本誌では国内外21箇所をセレクトして紹介していますが、そのうち3つをピックアップ。たくさんの珍奇植物が並ぶ今号。実際に観に行きたくなったときのガイドにしてみてください。

バイオリウム
BIORIUM
世田谷区/上用賀
バイオリウム
マダガスカル原産のビザールな多肉植物が大集合。
東京農業大学「食と農」の博物館に併設し、2005年にオープンした温室・バイオリウムは、動物園、植物園、水族館の括(くく)りを取り去り、「生きもの空間」と銘打った展示施設。アフリカ、中南米の乾燥地に分布する多肉植物を中心に、珍しい動植物を観賞することができる。中でも特に注目したいのは、マダガスカル原産のバラエティに富む多肉植物。高さ8mを超えるバオバブ、トゲだらけのディディエレア マダガスカリエンシス、幹から葉が出るアルオウディア アスケンデンスなど、個性的なルックスの多肉植物で構成された展示は、現地の乾生林の景観を模したものだ。その中に小径が設けられ、放し飼いのグリーンイグアナや、檻越しに動き回るマダガスカルの原猿類レムールを見ながら散策が楽しめるようになっているのもユニーク。
東京都世田谷区上用賀2−4−28 東京農業大学「食と農」の博物館3・4F☎03・3425・2554。10時〜17時(入館は〜16時30分)、冬期は時間変更あり。月曜休(祝日の場合は翌火曜休)、最終火曜・大学が定めた休日休。無料。

東南植物楽園
SOUTHEAST BOTANICAL GARDENS
沖縄県/沖縄市
東南植物楽園
温室の囲いのない自然の中で熱帯植物が楽しめる。
全体で1,300種の植物があるこの植物園最大の特徴は、屋外で熱帯、亜熱帯の植物が観賞できること。日本では本来、温室で育てるべきような植物が、沖縄だと露地栽培できるからだ。園は大きく2つの区画に分かれ、水上楽園エリアの見どころはハスとリュウケツジュ。沖縄原産のアロエやハイビスカスが植えられているのも、旅行で訪れたなら見応えがある。一方、植物園エリアにはユスラヤシ、トックリヤシの並木道が。ともに沖縄では街路樹として植栽されるが、特にユスラヤシは25mと段違いの高さを誇る。またバオバブが20本植えられた「バオバブの杜」も必見。自生地アフリカのような大木とまではいかないが、青空をバックに望める機会は国内では少ない。熱帯の植物と沖縄の植物、両方を楽しめることも、この園の魅力だろう。
沖縄県沖縄市知花2146☎098・939・2555。9時~18時(入園は〜17時)、金曜・土曜・祝前日は〜22時(入園は〜21時)。無休。入園料一般1,500円。http://www.southeast-botanical.jp/

FAIRCHILD TROPICAL BOTANIC GARDEN
フェアチャイルド熱帯植物園
フロリダ州/マイアミ
AIRCHILD TROPICAL BOTANIC GARDEN
熱帯の珍奇植物が、マイアミの気候で伸び伸び育つ。
1938年設立の熱帯植物園。園名は20世紀初頭、アメリカに桜をもたらしたことでも知られる植物学者、デヴィッド・フェアチャイルドの名にちなむ。彼は老後を過ごしたマイアミで当園の設立に賛同し、バオバブの木など、世界中から採集した植物を提供している。
マイアミの暖かい気候の中、熱帯、亜熱帯の植物が屋外に植えられ、特にヤシ類とソテツ類のコレクションが有名だ。銀色の葉を広げる、マニア垂涎のヤシ科のビスマルキア ノビリスの巨木も見られる。
タコノキやモンステラ、枝先に砲丸のような実をつけるホウガンボクなどが伸び伸びと育つ園内では、樹木にパイナップル科のアナナスのほか、蘭、アンスリウム、ティランジアなどがびっしりと着生し、熱帯のワイルドな風情を醸し出す。
10901 Old Cutler Road, Coral Gables, FL☎(1)305・667・1651。9時30分〜16時30分。無休。入園料大人25ドル、5歳以下無料。マイアミ国際空港から約8.8マイル。http://www.fairchildgarden.org
ブルータス No. 821

まだまだ珍奇植物

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ブルータス No. 821 —『まだまだ珍奇植物』

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