Special Contents 星条旗をなびかせた!? アーバンブラジリアンの熱風。
ジャンルを問わず、さまざまな「夏に聴きたい音楽」をリコメンドしている今回の特集。ここでは60もあるコラムの中から、夏を感じる国と言えばブラジル! ということで、アメリカに渡ったブラジルの音楽家たちの作品をDJの高木慶太さんが紹介するコラムを抜粋。夏のリオデジャネイロオリンピックに合わせて、いまから予習しておきましょう。
『Nightingale』Giiberto Gil/1979年、ブラジルでは既にトップアーティストだったジルベルト・ジルによる、満を持して発表したアメリカ進出作。プロデューサーのセルジオ・メンデスの招集によりリー・リトナー、オスカル・カストロ・ネヴィスら、米伯の豪華連合チームが集結。トロピカルなミクスチャーサウンドに乗って、野性児がしなやかに跳ねる。
『Made In New York』Tania Maria/フランスを中心にヨーロッパで活躍した後に渡米。独自のスタイルとしか形容できない、奔放なボーカルとピアノでワールドワイドな存在に。80年代以降の彼女の作品は、本作を筆頭に、シンセサイザーやドラムマシンを多用し、もう摩天楼が目に浮かんでくるような極めつきのアーバンサウンドを聴かせる。
『I’m Fine. How Are You?』Airto Moreira/打楽器王国であるブラジルが誇るレジェンド。マイルス・デイヴィスなど、大物との共演を経て、モンスターグループ、ウェザー・リポートを結成。そんな百戦錬磨のアイルトが、ここでは陽性のアーバンブラジリアンを聴かせる。リラックスしたサンバの「Happy People」が、なんといっても夏の気分。
『Love Island』Deodato/プロデューサーやアレンジャーとして、E, W&Fからビョークまで、広い守備範囲で作品を手がけるデオダート。もちろん自身の作品でもハイセンスなサウンドメイクを披露。1978年のこの作品は、制作にトミー・リピューマを迎え、モーリス・ホワイトとの「Tahitti Hut」など、メロウなリゾートチューンが楽園指数高し。
『Light As A Feather』Azymuth/アジムスの快進撃の幕開けとなった全米デビュー盤。パーカッションにアレウーダを迎えるも、ジョゼ・ベルトラミ(key)、マレイロス(ba)、イヴァン・コンチ(dr)からなる、黄金のトライアングルは不動。浮遊感たっぷりのアーバンなキーボードと対照的な、ゴリッとした極太のベースラインが強炭酸のごとし。