マガジンワールド

Special Contents 下町の商店街・立石の満腹な歩き方。

日本国内だけでなく、世界中から酒好きが集まる立石で、“聖地巡礼”を。おでん屋<二毛作>店主の日高寿博さんが、案内人を務めます。

立石

〈二毛作〉店主・日髙寿博さんが教える、
立石の満腹な歩き方。


その1まずは〈愛知屋〉のコロッケをテイクアウト。
愛知屋 精肉店
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左がコロッケ90円、右が、メンチ140円。ちょい甘口。ほかに、レバー100円、とんかつ300円、アジフライ140円、ハムカツ90円など。


駅を降りたら、いい匂いに誘われて、吸い込まれるように〈愛知屋〉のガラスケースの前へ。こちら、昭和20(1945)年創業の肉屋さんだ。「立石の第一歩。リアル0次会はココ」(以下、コメントは日髙さん)。揚げたてコロッケを頬張りつつ、〈宇ち多゙〉の順番待ちをするのがお勧めだという。それから「牛肉のブロックや豚肉も旨い。大型スーパーなんかよりも安いし」と。実は、焼き豚も大人気。注文すると、厚めに切ってくれるし、おまけもつけてくれる。中には、脂の多いトコ、と指定する人も。これもいい味だ。
愛知屋
精肉店
駅の階段を下りたらすぐにある。昼どきと夕方は行列も。今のご主人で2代目。店構えはレトロでいい感じ。焼き豚は100g 300円、牛肉100g 650円〜。東京都葛飾区立石1-19-4☎03・3691・1259。8時〜20時。火曜・水曜休。


その2王道“宇ち入り”からのハシゴのすすめ。
字ち多゙ もつ焼き
客がシアワセに酔い、心から楽しんでいる様子が暖簾の奥から伝わる。
いわずもがなの名店〈宇ち多゙〉。立石ツアーの肝店だ。「ココに行かずして、立石を語るなかれ」。とはいえ、メニューに「もつ焼き」としか書いてないから、注文の仕方がわからない。だから、予習しとかないとという輩も多いが、にわか勉強では通じない。「謙虚な気持ちで身を委ねよう」。酔っ払いは入れてくれないので注意。ここを起点にツアーを開始。次なる店は「めちゃ安いのに新鮮でおいしい」〈栄寿司〉、さらに「知らない者同士が自然と近づける」〈おでん丸忠〉と、仲見世商店街“和バル”ホッピングは止まらない。
字ち多゙
もつ焼き
〈宇ち多゙〉に行くことを「宇ち入り」と称する人も。しらふの状態で行くべき店なので、立石ツアーのトップバッターといえる。14時の開店前から常に行列しているが回転はいい。長っ尻は野暮の極み。さくっと飲んで次の店へ。


その6飲みに飲み尽くした後、〆に行くなら。
蘭州 水餃子
水餃子400円、パクチーのせ+100円。焼き餃子350円も皮がカリッと焼けていておいしい。皮も一から手作り。餃子をお土産にする手もある。麺類もあり。


〆を何にするか悩む、というより、もうその頃には相当キコシメシテいるから、もうどうでもいいようにも思うが、ちょっと待て。テッパンは間違いなくココ〈蘭州〉の水餃子。絶対王者といっていい。パクチーのせは邪道という人もいるが、酔った体に緑のエキスを注入することで、スキッとする。醬油と酢、自家製ラー油でもよし、酢とコショウもまたよし。おなかいっぱいでも、つるんつるん入っちゃう不思議な餃子である。和で〆たい方には、〈土日庵〉の手打ち蕎麦を。いい蕎麦なのだ。ただし、酔っ払いは入店不可。
蘭州
餃子
まだ飲み足りない人はビールも紹興酒もある。つまみには烏龍茶玉子120円や牛スジ500円を。ラーメンは500円。東京都葛飾区立石4-25-1 第2タマヤビル1F☎03・3694・0306。18時〜24時(土・日〜23時30分)。月曜休。


ブルータス No. 829

酒場のある商店街へ。

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