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今、音楽をラジオで聴こう。 Special Contents BRUTUS No.934

Special Contents 今、音楽をラジオで聴こう。

サブスクで好きに音楽が聴ける。心地はいいけれど、アルゴリズムで選ばれた曲は意外と心に残らない。丁寧な選曲やレアな音源ほどリスナーを刺激する。バラカンさんやヤマタツさんに続けとばかりの8つのいい音楽番組。

リスナーも参加するプラットフォーム型番組。

毎回新しい試みが実践されている、小袋成彬(おぶくろなりあき)の番組『FLIP SIDE PLANET』。「“アーティストが、他人の曲を紹介するのはどうなんだろう?”と思っていました。でも、コロナ禍でいろいろ考えて。以前は自分で選曲していましたが、今は誰かの音楽センスを取り入れ、それを僕自身が聴きたいなと思ったんです。番組名は盤面の裏側という意味。自分の選んだ音楽が表側だとしたら、同じ曲でも、ほかの人が選んだ時、また別の世界が広がっているっていう。それが知りたいんですよね」。吉田兄(一般リスナー)が選んだ「宇宙を感じる曲特集」など確かに斬新な企画。「YouTubeの感想動画は、著作権の問題で曲が使えない。でも、ラジオならアルバムを全部聴きながら、感想を伝えることができる。今のところリスナーとは直接繋がりづらいけど、今後はみんなで話ができるプラットフォームを作りたい。ラジオはその一端だと思うので、アップデートし続けます」

programFLIP SIDE PLANET

FM 81.3 MHz
J-WAVE(東京)
毎週金曜日25:30〜26:00


FLIP SIDE PLANET
ロンドンから一時帰国した際、東京にあるスタジオでの収録の様子。
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最近オンエアしたアルバムは2年ぶり4枚目となるRhyeの新作『Home』。
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そして、クラシック度を増したエミリー・キング『Scenery』。番組のプレイリストの詳細は公式Twitterへ。



世界中の新しいジャズの動向をチェック!

現在、新しいジャズの中心地になっている南ロンドンとアメリカ西海岸。シーンの中心を担うロバート・グラスパーやカマシ・ワシントンなどの活動にいち早く注目、紹介してきたのがDJの松浦俊夫。日本で唯一、ジャズの新作やニューカマーの動向を紹介しているのが『Tokyo Moon』だ。ネットは便利とはいえ、最新の情報は少し曖昧なところがあるが、この番組では正確な情報を得ることができる。それは、DJを務める松浦俊夫が20年以上も前から世界中の音楽家、各地のシーンとコネクトしているからにほかならない。日本の新しい才能も番組内で紹介し、さらなる注目を集めている。

programTokyo Moon

FM 76.1 MHz
InterFM897(東京)
毎週日曜日17:00〜18:00


Tokyo Moon

ネットでは引っかからない、激レア音源をプレー。

現在カメラマンやデザイナーなど、さまざまな顔を持つ常盤響の番組。レコードバイヤーの経験からか、アジアやヨーロッパ諸国まで、聴いたことのないようなレコードが選ばれている。レアな映画音楽から、風や波の音がミックスされる環境音楽や民族音楽、レフトフィールドまで交差する特集内容に、音楽好きの間で「Shazamで検索しても引っかかる曲が少ない」と、情報の源泉として話題になっている。また、常盤がリアルタイムで聴き、番組でもセレクトされている日本の80年代ニューウェーブは、現在世界中でも注目されており、海外のレコード好きにもひそかに愛聴されている。

program常盤響のニューレコード

FM 89.7 MHz
LOVE FM(福岡)
毎週月曜日20:00〜21:30


常盤響のニューレコード
ブルータス No. 934

なにしろラジオ好きなもので。3

750円 — 2021.03.01
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ブルータス No. 934 —『なにしろラジオ好きなもので。3』

紙版

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