達郎さんの言葉を解説したのは、超ヘビーリスナーの大学教授です。 From Editors No.863
From EditorsNo.863 フロム エディターズ
達郎さんの言葉を解説したのは、
超ヘビーリスナーの大学教授です。
『山下達郎のサンデー・ソングブック』で流れるのは主に50〜70年代のオールディーズ。番組を聴いているとシンガー、ソングライター、プロデューサー、アレンジャーなど、当時ヒットソングに携わっていた人々がいつしか線でつながり、ムーブメントの背景をなんとなく面で理解できてくる、そんな番組です。
今回の特集メインコンテンツは達郎さんの語りの書き起こしですが、それをより深く理解するために、解説を書いてくださったのが慶應義塾大学教授の大和田俊之さんです。大和田さんの専門はアメリカ文学・ポピュラー音楽研究で著書に「アメリカ音楽史」、長谷川町蔵さんとの共著「文化系のためのヒップホップ入門」などがある研究者です。
大和田さんは、なんと、米文学を研究していた大学院生時代から、毎週日曜日に番組をカセットに録音していたという筋金入りの『サンソン』リスナー。当時は、達郎さんの言葉をコンポの前で必死にメモしながらも、音楽を専門にするとは予想だにしていなかったとか。また、大和田さんは、学生時代に竹内まりやさんが在籍したことで知られる音楽サークル「慶応リアルマッコイズ」の出身者でもあります。
今回の解説執筆依頼に「当時の自分に、将来達郎さんの番組の解説を書くことを言ってあげたい」と快諾してくださいました。大和田さん以上の適任はいらっしゃらなかったでしょう。
おかげで、いま私たちが聴いている音楽のルーツがわかる、永久保存版ポピュラーミュージックの教科書と言っても過言ではない、大変読み応えのある1冊ができました。
●︎︎︎草野裕紀子(本誌担当編集)