魚定食で昼食を。 From Editors No.867
From EditorsNo.867 フロム エディターズ
魚定食で昼食を。
新年度、新しい職場、新しい環境に入る方も多いことと思います。ひと息入れるランチの時間、今日は魚定食、いかがでしょうか? 魚の煮付けや焼き魚とごはん、お味噌汁。この時ばかりは日本に生まれてよかったと思います。
BRUTUS編集部のあるマガジンハウスは、東銀座にあります。そう、いま魚市場のある築地の目と鼻の先です。今号でももご紹介した築地〈魚竹〉はじめ、周辺には魚料理が食べられるお店が数多くあるのですが、仕事がら外出が多く、じつは会社の周りでごはんを頂くことは多くない。今回の特集を作ることになった時、改めて築地の場内や場外、そして銀座やほかの街でも魚定食を食べる機会がありました。そして、魚市場のお膝元という地の利を生かしてこなかったマイごはんライフを激しく後悔……。
サバの味噌煮、サワラの西京焼き、ブリの照り焼き、クエの骨煮、ねぎま鍋、アジフライ、季節のお刺身etc……。魚種も調理法もこんなに多様、毎日食べても全然飽きない、疲れない。魚定食のおいしさ、楽しさにすっかり開眼しました。そして、築地場内の〈高はし〉、銀座の〈三亀〉、赤坂〈とゝや魚新〉など、魚定食のおいしいお店に行くと必ずと言っていいほど目に入ってくるのが、小津映画から抜け出したような感じのいい紳士が、昼からお酒を一献やりながら魚料理を楽しむ景色。それも含めて継承したい文化だなぁ、としみじみ思います。
慌ただしくなりがちな新年度ですが、日常や、大仕事の後のご褒美ランチで、魚のおいしい店に誘われたら、上司でも、同僚でも、なんか信頼できる、また一緒に頑張ろう、と思える気がします。ですから、今日はみなさんお誘い合わせのうえ、魚定食で昼食を。