人の輪の中心となるキッチン、が気分です。 From Editors No.910
From EditorsNo.910 フロム エディターズ
人の輪の中心となるキッチン、が気分です。
新しいレストランができると話題になる前に行ってみたい。うまい酒場には30分以上前に並び、基本は口開け狙い。なにしろ美味いしいもの好きなもので(よりよい環境で)。そんな自分の美食行動に、最近変化があるな、と感じ始めたのがここ数年。仕事柄、出張に行くことが多く、そして出張をする友人も多い。必然、日本・世界各地から珍し美味しい食材が集まってくる。現地から送ったり、送ってもらったり、スーツケースに食材をたっぷりつめて帰ってきたり。じゃー、どこでそれ食べるの? ってなると、みんなで集まれる、誰かの家となるわけです。
京都から花山椒、台湾の乾物、メキシコからメスカルやチニクィレス(虫です!)、韓国からキムチ、フランスのチーズやワイン、日本各地の魚介や肉、日本酒……。ふるさと納税で日本各地から食材を取り寄せることが年中行事になった人も多いと思います。みんなで作って、みんなで食べて、みんなで片付ける。いま、家の中で、外の世界へと開いたパブリックスペースは、リビングルームからオープンなキッチンへ。美味しいが生まれる現場は、美味しいを共有する場、そして仲間との交流を深める場へと進化しています。
今回のキッチン特集、料理をする人はもちろん。料理はしないけどお呼ばれ上手な人は、いつも誘ってくれる友人のために、ぜひ。
●杉江宣洋(本誌担当編集)