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京都で、見て、買って、食べて、太って、整ったリサーチのこと。 From Editors No.940

From EditorsNo.940 フロム エディターズ

京都で、見て、買って、食べて、太って、整ったリサーチのこと。

BRUTUSの十八番特集「101」シリーズの担当が、ついに回ってきました。舞台は、京都。色々な雑誌や他媒体で度々取り上げられている場所だけに、BRUTUSらしく、“今の京都”を紹介するにはどうしたらいいのか。3月某日、リサーチのために京都へと向かい、まずは街を知ることから始めました。
まだ緊急事態宣言が出る前、そして桜が咲いていた頃の京都は、観光客は少ないけれど活気に満ちていました。自転車を借り、土地勘を体に叩き込もうと一日中市内をグルグルと駆け回りましたが、鴨川沿いは本当に気持ちがいい。自転車で走ってみるとわかるのですが、京都市って思っていたより狭くって、坂道も少ないので、どこまででも行けちゃうんです。京都の人に「今日は九条から西院経由で下鴨まで行きました」というと驚かれましたが(笑)。101シリーズはとにかく細かく、紹介する店の数も多い。しかもジャンルが多岐にわたるので、朝から晩までリサーチの日々。気になる店に行く途中でも面白そうな場所があったら迷わず立ち寄り、見て、買って、食べて、見て、食べて、食べて、食べて……。リサーチのための一週間弱の滞在で、4キロも太ってしまいました。自転車で走り回っているのにおかしいな……。
そんな目まぐるしい一日の疲れを洗い流してくれたのが銭湯でした。京都には、今なお100軒以上の銭湯があり、どこも風情ある佇まい。うち9割が天然の地下水を使っているため、お湯がとにかく柔らかく、何時間でも浸かっていられる。しかも、450円の入浴料で、サウナや電気風呂まで楽しめ、至れり尽くせり。全国の銭湯好きからも愛される〈サウナの梅湯〉、舞妓さんも通う老舗〈大黒湯〉、落語会やDJイベントまで催される〈錦湯〉など、10数軒ほど入りましたが、中でも〈白山湯 高辻店〉に心と体を奪われました。115度の高温サウナに、これでもか!というほど掛け流された天然地下水の水風呂、そして バッチリ“整う”外気浴。さらに熱めの深湯と電気風呂もあり、備え付けでシャンプーやボディソープも用意されているので手ぶらでOK。以降、取材で京都へ訪れる際には、必ず〈白山湯 高辻店〉の近くに宿を取るほどに魅了されてしまいました。京都へ遊びに行く際には、湯めぐりを楽しんでみるのもおすすめです。そういえば、入浴後に体重計を見る度に太っていたなあ。京都、恐るべし!

●辻田翔哉(本誌担当編集)
BRUTUS 940号:From Editors
ある日、〈白山湯 高辻店〉で水風呂に浸かっていると、1.5lのペットボトルに水風呂の掛け流し天然水を汲んでいる変な人が。特集内で京都の銭湯の素晴らしさを語ってもらうべく、銭湯ライターの林宏樹さんと、FROCLUBという銭湯好き集団のPRをしている山田政樹さんに対談をお願いしたのですが、山田さんの口から「僕は〈白山湯〉の水を飲んで生活しています!」と。なんでも、京都の水風呂は飲めるほどの軟水なんだとか。


ブルータス No. 940

京都で見る、買う、食べる、101のこと。

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