マガジンワールド

さよなら、男らしさ。 From Editors No.926

From EditorsNo.926 フロム エディターズ

さよなら、男らしさ。

BRUTUSとして2回目となる、「恋の、答え。」特集(前回は2011年9月)を担当しました。特集は全部で約60P、どんな企画を入れていくのか、あれこれ考えるのは楽しくもあり、(ちょっと)プレッシャーもありつつ。

今回、ぜひ入れてみたいと思ったのが、「恋と、男らしさ(男らしさに二重線。つまり、バツ)」(P68~71)。きっかけは文筆家・清田隆之さんの新刊「さよなら、俺たち」を読んだこと。これがまあ、読み進めるたびに自分の恥部がひとつひとつ晒されていくかのような、リトマス試験紙のような本でして。要するに、圧倒的な男性優位、男性特権の社会の中で、俺たち(=男)が、時に意識的に、時に無意識的に、女性を傷つけたり、マウントしてきたか、ということを清田さん自らが自身の黒歴史を明かしつつ猛省し、さらには他の男性諸氏に「あんまり男らしさをこじらせすぎると、女性との恋愛関係にも支障をきたすかもしれません…」と注意を促してくれるという薬効(クスリか)のある本なのです。世の男性ならば大なり小なり思い当たることがありそうな、このトピックについて、漫画家の谷口菜津子さんに清田さんをインタビュー&マンガにしていただきました。さらにはそんな大人たちをよそに、とっとと「男らしさへの甘えと拘泥の島」から抜け出している若者たちも。そんな彼らの代表として、インフルエンサーのKemioさんと、ラッパーのdodoさんのインタビューもぜひ一読を。

他にも、社会学者の上野千鶴子さんと古市憲寿さんの「結局、恋って何なのでしょうね」対談から、音楽家・小西康陽さんの「これは恋ではない」の2020年スペシャル書き下ろしまで、2020年の「恋の、答え。」を探し続けた60P。あなた自身の「恋の、答え。」を探すヒントになれば幸いです。

●斎藤和義(本誌担当編集)
BRUTUS 926号:From Editors
ある日、Spotifyで見つけた川崎の優しきラッパー、dodoに突然ハマる。地元の町中華でお昼を食べていたら、隣の女子高生らしき2人組が「dodoって知ってる? なんか、いいんだよねー、他のラップと違うっていうか」と話しているのを聞き、「うん、おじさんもそう思うよ」と話しかけたかったが、さすがにそれはやめておきました。


ブルータス No. 926

恋の、答え。

700円 — 2020.10.15
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ブルータス No. 926 —『恋の、答え。』

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