いい焼肉への第一歩は、いいお客になることから。 From Editors No.943
From EditorsNo.943 フロム エディターズ
いい焼肉への第一歩は、いいお客になることから。
飲食店に行った時に、「信頼できる人からおいしいと聞いて行ったのに、それほどでもなかった」という残念パターンってありますよね。これ、好みの問題というのもありますが、それが焼肉店の場合は違う理由もあったりします。
「肉を焼く」というシンプルな料理であり、しかもほとんどの場合において客がそれを行うという性質上、焼肉店の良し悪しは「仕入れ」と「仕込み」が大きな要素になってくるのは間違いありません。そして、その仕入れの部分については、当然日によって差が出てくるものでしょうし、同じ日に入った肉のなかでも質に差はあります。「同じものを頼んだのに、明らかに隣の席のほうが良さそうな肉だった」なんて、恨みがましい声を聞くこともありますが、それは焼肉店あるあるなのです。
ただ、運だから仕方ないよね……で済ますのは、悔しすぎる。自分にいい肉が回ってくるようにする手は確実にあるのです。それは、ズバリ「いいお客になること」。
今回の特集の取材で焼肉店を巡っていてわかったことは、お店の方は思った以上にお客を観察しているということでした。端的なことでいえば、せっかくのお肉をダメにするような焼き方をしている客には、いい肉を出したくなくなりますよね。人間だもの。
このへんのことは、本誌で東京・鹿浜の名店〈スタミナ苑〉の豊島雅信さんと食通で知られるV6の長野博さんの対談で詳らかにしていますし、部位別に焼き方を指南するブックインブックも用意しています。
特集を熟読してから行けば、同じ店でも違う焼肉体験ができるかも!? です。
●中西剛(本誌担当編集)