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部位別焼き方 ワンポイントアドバイス。 Special Contents BRUTUS No.943

Special Contents 部位別焼き方ワンポイントアドバイス。

P.51「焼肉指南ブック」から、3つの部位別焼き方ワンポイントアドバイスをご紹介。「焦がしちゃった!」あるいは「生すぎた!」。どちらも、誰もが一度は経験しているはずの、焼肉のミステイク。あの失敗をもう繰り返したくない人のために、〈ナスキロ〉オーナーシェフの高山いさ己さん、フードアクティビストの松浦達也さんの2人の焼肉名人が親切指導します。

(左)高山いさ己 (右)松浦達也
(左)指南役・高山いさ己
〈ナスキロ〉オーナーシェフ
たかやま・いさみ/実家が浅草の焼肉店〈冨味屋〉で、2007年に開いた最初の店〈アンティカ オステリア カルネヤ〉は“肉イタリアン”の先駆け。7月中旬、ステーキの店〈ナスキロ〉を開店。「肉を焼くときにイメージしているのは『弛緩と緊張』。」
(右)指南役・松浦達也
フードアクティビスト
まつうら・たつや/食べる・作る・調べるの三拍子揃った仕事ぶりで食雑誌から新聞、Webなどで編集・執筆。著書に『家で「肉食」を極める! 肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(マガジンハウス)。「網の上の火力差を把握し、まず焼き目を。余熱使いも肝!」


ハラミ

薄切り

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ハラミ 薄切り2
“ジューッ”という音がしなくなったら返し、両面を焼いて皿で休ませる。最後に温めて、塩をパラリで味が締まる。
攻めの姿勢で、レア禁止!
「赤身はドMだから、火の真上で“筋トレ”=炎でいじめると繊維に躍動感が出る!」と語る高山さんに「さすがドS」と松浦さん。が、「焼き目ガッチリでメイラード反応を狙うのは同意ですが、慣れない人がご主人様気取りで強火で攻めるのは危険。中央で焼き目をケアしつつ赤味がなくなるまでじっくり、でも可」。

厚切り

ハラミ 厚切り1
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よく火を通そうと広げて焼くのは「一番ダメ!」(高山)。両面を焼いたらお皿で休ませ、表面がしっとりしたら再度温める。
ガシッと噛むとジュワ〜、が理想。
ハラミの繊維の太さがより際立つ厚切り。「アコーディオン状の繊維をトングでぎゅっと縮め、血液を逃さないように焼くと、かじった時のジューシーさが倍増!」(高山)。表面はあくまで乾かすように焼き、内部に肉汁を閉じ込めるイメージで仕上げたい。焼き上がりを食べた松浦さんが一言、「優勝です!」。

ホルモン(腸)

ホルモン(腸)
高山さんいわく「2~3枚重ねてふっくらとさせつつ表面を乾かすように焼き、焼きの香りをつけたい」。
豚には優しく、牛なら厳しく。
写真は豚ホルモン。脂が少なく皮(腸壁)が軟らかいので、中火で優しくふっくらと焼くイメージ。一方牛ホルモンは脂が厚いうえ皮が硬く噛み切りにくいので、水分を抜くようにじっくり焼く。「本来炭火向きで、鉄板で水分をしっかり飛ばすのは至難の業ですが、ロースター中央で、皮目8:脂2で焼いて」(松浦)

ロース

並ロース
ロース 並ロース
上ロース
上ロース
並ロースは「ロースターの中央でさっと焼き」(松浦)。上ロースは「手早く返して、くるりと巻くのが好きです」(高山)
サシの入り具合に適した焼き方を。
並ロースであれば「センターで軽めに。焼きすぎさえ防げばOK」(松浦)。霜降りの多い上ロース(サーロイン)の場合は「ほかの部位を6割程度の火力で焼くとしたら、上ロースは8割で。サシが入った“白身”ですが、脂の融点が低い部位なので。特に薄切りならば強火で焼いてさっと脂を溶かすイメージ」(高山)
ブルータス No. 943

焼肉で会いましょう。/西野七瀬

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ブルータス No. 943 —『焼肉で会いましょう。/西野七瀬』

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