マガジンワールド


From Editors No. 790 フロム エディターズ

From Editors 1

打倒・巨人! ニューヨークで
大物スラッガーをスカウト。

もしも長嶋茂雄と王貞治を擁するV9の巨人と、その巨人をひな形とする、清原和博全盛の西武ライオンズが日本シリーズで相まみえたら。史上最強と謳われる柔道家・木村政彦が、ヒクソン・グレイシーと戦ったら。マイク・タイソンとモハメド・アリ、2001-02のレアル・マドリーと10-11のバルセロナ、高田延彦と桜庭和志……。実現し得ない対決なのに、想像するだけで興奮するのはなぜでしょう。

快進撃を続ける『進撃の巨人』を特集するにあたり、いちばん最初に考えた企画が、“夢の対決”。強いだけでなく、賢くて、しかもでかい。そんな鎧の巨人や超大型巨人、そして女型の巨人をやっつけるために、NYから大物外国人たちをスカウト。マーベル・コミックスが誇る最強ヒーローチーム、アベンジャーズが、ニューヨークで巨人を迎え撃つ。夢のコラボコミックは、マーベルのアーティストたちが描き、プロットは、『進撃の巨人』作者・諫山創さんご本人に考えてもらいました。

二次創作を積極的に許容し、イチ作品の中だけに世界観を押し込めない。エンターテインメントに新たな現象を創りだした『進撃の巨人』ワールド。累計発行部数4,000万部を超えるこのコミック。作品の深堀りはもちろん、この現象が生まれる構造についても分析しました。しかも、いつもより大幅増の、特集だけで100ページ!

 
●杉江宣洋(本誌担当編集)
全てが4番打者級のチーム、最初に登場はスパイダーマン! 特集ではオールカラーでお届けしますが、特別にモノクロで描かれたラフスケッチをこちらで。電信柱をバットに見立てて、巨人をかっ飛ばします。クライマックスには、諫山さんたっての希望で、もうひとつのスーパーヒーローチームも参戦。
全てが4番打者級のチーム、最初に登場はスパイダーマン! 特集ではオールカラーでお届けしますが、特別にモノクロで描かれたラフスケッチをこちらで。電信柱をバットに見立てて、巨人をかっ飛ばします。クライマックスには、諫山さんたっての希望で、もうひとつのスーパーヒーローチームも参戦。


 

From Editors 2

いいオトナも虜にする進撃の巨人。
空想世界が妄想を刺激する。

恐怖を煽る画の衝撃に隠れがちではあるが(もちろんそれは大きな魅力なのだが)、アクション、熱き男の友情、微かな恋愛の香り…と、『進撃の巨人』には実は少年マンガの王道が鏤められている、と思う。個人的な話で恐縮であるが、これほどマンガにハマれるおっさんになるとは思っていなかった。週刊少年漫画誌の発売日が待ち遠しくてたまらなかった、少年時代の記憶と気分が鮮やかに蘇る。

巨人が人を食う。実際、その特徴的な描写だけで“読まず嫌い”を決め込む人も多いのだが、周りにすすめると、ほぼみんな一巻でハマる(10人中9人。2014年9月時点。実績値)。さすが累計4000万部超の実力。

そんなビッグタイトルを自由に“料理”させてもらった今回の特集。一線のクリエイターにインスパイア作品を製作してもらったり、“巨人とかけて”勝手に大喜利(!?)してもらったり、「現実に、東京に巨人が現れたら?」を軍事評論家や工業デザイナーに大マジメに考えてもらったり。作者・諫山創が描く空想世界とその“余白”は、僕らの妄想をビンビン刺激する。

公式、非公式を問わず、さまざまなメディアにアメーバのように広がりを見せるのもこのマンガの特徴だ。アニメ、スピンオフ小説、分析本、TVCF、映画…そして11月末からは上野の森美術館で『進撃の巨人展』が開催。その見所もいち早く、詳細にお伝えする。上野の森には、恐怖の世界が待ち受けているようだ。かつてないスケールで。

熱心な読者はもちろんのこと、未読の人にも。今回の特集が『進撃の巨人』の世界をより深く、自分流に楽しむ一助になれば嬉しい。

 
●星野 徹(本誌担当編集)
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の3D映像に合わせ、思わず横を向く副編集長杉江。
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の3D映像に合わせ、思わず横を向く副編集長杉江。

超大型巨人の手、の模型。会場には実物大の巨人が待ち受ける。
超大型巨人の手、の模型。会場には実物大の巨人が待ち受ける。