マガジンワールド

Special Contents 映画の中のTシャツは美術に近い。

宮藤官九郎監督作品や大根仁監督作品で衣装を手がけてきた、スタイリストの伊賀大介さん。
映画を観る人が唸るようなTシャツをスタイリングしてきた伊賀さんが、ロゴTシャツが
印象的だった映画を8本セレクト。ここでは、その中から4つを紹介します。

合言葉はもちろん「ペドロに1票を!」。
『ナポレオン・ダイナマイト』(’04)
電車男ブームの際に日本でDVDがリリースされたため、当初は『バス男』という珍妙な邦題がつけられていた学園コメディ。アイダホ州の田舎町に暮らすナポレオン・ダイナマイトは、いつもバカにされてばかりいる高校生。だがメキシコ系の友人ペドロが生徒会選挙に立候補すると、彼は「VOTE FOR PEDRO」(ペドロに1票を)と書かれたTシャツを着て、ペドロの応援のために奮闘する。ラストの衝撃的なダンス!
「CUTTERS」を胸に自転車レースに挑む。
『ヤング・ゼネレーション』(’79)
かつて建築材の石切りで栄えたインディアナ州ブルーミントンを舞台に、人生を模索する4人の若者たちが自転車レースに挑む青春映画。彼らのTシャツの胸元にあしらわれた「CUTTERS」とは、大学にも行かず地元の石切り場で働くようなやつら(=カッターズ)という意味の蔑称。本作をこよなく愛するライムスター宇多丸のために、伊賀が「CUTTERS」Tシャツを手作りした逸話も。アカデミー脚本賞を受賞した。


ハローキティT ≒ 大人になれない主人公。
『ヤング≒アダルト』(’11)
ヤングアダルト小説を執筆する自称「作家」のメイビスは、かつて輝かしい日々を送っていた故郷の町で、残酷な現実を知る。過去の栄光にしがみつき、いつまでも大人になれない主人公の姿を、ハローキティのTシャツや愛聴するティーンエイジ・ファンクラブの楽曲で浮き彫りにした巧みな演出。大ヒットした『JUNO/ジュノ』のジェイソン・ライトマン監督と脚本家のディアブロ・コディが再びタッグを組んだ。
Tシャツ監督とTシャツ俳優が結集!
『宇宙人ポール』(’11)
『アドベンチャーランドへようこそ』などで「Tシャツ監督」の地位を確立した(?)、グレッグ・モットーラによるコメディ。『帝国の逆襲』Tシャツだけでなく、キリスト教原理主義者のヒロインにキリストがダーウィンを射殺する風刺画Tシャツを着せたりするなど、モットーラのTシャツ愛が爆発。主演のサイモン・ペッグとニック・フロストは、エドガー・ライト監督作でも数々のオタクTシャツを着こなしている。


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今日も映画好き。

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