マガジンワールド

Special Contents センスのいい人のスタイルメソッド。

センスのいい人が、自分よりスタイルがあると思う人を紹介していく「私よりスタイルのある人」。総勢8名の中から3名分のスタイルメソッドと自分に欠かせないものをご紹介。彼らは誰に推薦されて、誰を紹介したのか。本誌で一連の流れを見てみると、彼らの人間関係とファッション哲学が垣間見られます。

1. マリの伝統柄をプリントしたジャケットを着用。
上/マリの伝統柄をプリントしたジャケットを着用。右/栗野さんのバイブルは、70年代のパンクバンド関連の写真集。『PUNK.:Colegrave&Sullivan』『david bowie is inside』など。
栗野さんのバイブルは、70年代のパンクバンド関連の写真集。『PUNK.:Colegrave&Sullivan』『david bowie is inside』など。


栗野宏文
〈ユナイテッドアローズ〉
クリエイティブディレクション担当
上級顧問
くりの・ひろふみ/1953年生まれ。〈ビームス〉退社後、89年に〈ユナイテッドアローズ〉の立ち上げに参画。現在、クリエイティブディレクション担当 上級顧問として〈ディストリクト ユナイテッドアローズ〉をディレクション。
服を着るポリシーが芽生えたのが中学生の頃。当時、ビートルズが初来日しました。はじめは同じ服を着た彼らが、音楽的な成長につれてそれぞれ個性を出した格好をしだして…。歌うことと同じく服を着ることも自己表現なんだ、と学びました。後にデヴィッド・ボウイ、セックス・ピストルズが出てきて、時代を作っていきましたが、皆、今も語り継がれていますよね。後にクラシックとして残るアバンギャルドこそ本物だと思うんです。伝統を重んじつつ、革新を受け入れることの繰り返し。常に前衛的なものを自分の中に取り込む余白を持つことが僕のメソッドかな。最近はエチオピアジャズとか、辺境音楽にハマっていて、結果、トラッドな装いにアフリカンバティック柄を取り入れたり。おそらく時間が経てば、これも自分のスタンダードに変わると思います。


4. 小野塚さんが手がける〈HAKUI〉オフィスにて。
上/小野塚さんが手がける〈HAKUI〉オフィスにて。右/〈大島椿〉の椿油の潔いデザインは最高と語る。文庫本『お洒落名人ヘミングウェイの流儀』は、彼が共通するセンスを感じる品。
〈大島椿〉の椿油の潔いデザインは最高と語る。文庫本『お洒落名人ヘミングウェイの流儀』は、彼が共通するセンスを感じる品。


小野塚秋良
デザイナー
おのづか・あきら/1950年新潟県生まれ。74年、三宅デザイン事務所に入社。88年、〈ウィット〉を設立し、翌年〈ズッカ〉を発表。現在は第一線を退き、3ツ星シェフも愛用するワークウェアブランド〈HAKUI〉をデザイン。
三宅一生さんのアシスタントでパリコレクションに行った時から感じていたんだけど、ラグジュアリーな服や場所は僕には合わないんだよ。まったく謙遜とかではなくね。だから名だたるブランドの綺麗なウィンドウディスプレイよりも、それを磨いている労働者の方がものすごく気になるし、美しく見えたわけ。汚れとかボロとかを気にしないで服を着る方が、リアリティがあるから。頭で考えて服を着るということはないので、はっきりと「これが私のスタイルメソッド」とは言えないけど、無理なく見えるものを身に着けたいと思っています。スタイルが好みというわけではないけど、ヘミングウェイなんかはそのお手本になる人物ですね。


5. リビングには、ピーターさんが影響を受けたアーティストの写真集がズラリ。
上/リビングには、ピーターさんが影響を受けたアーティストの写真集がズラリ。右/中央はご両親、左は息子のタロさんの幼き頃。「身近な人がいつも僕のインスピレーション源です」
中央はご両親、左は息子のタロさんの幼き頃。「身近な人がいつも僕のインスピレーション源です」


ピーター・スミス
へアスタイリスト
1947年イギリス生まれ。70年代、名だたるロックバンドのへアメイクを担当。またモデルとしても〈エルメス〉〈コム デ ギャルソン〉のショーに出演。現在は半隠居しながら、〈ポール・スミス〉などのショーの編曲を手がける。
年を重ねて、スーツをよく着るようにはなったね。冒険したくないわけではないけど、似合う服の幅は狭くなっているから、今はスーツがいちばんしっくりくる。ちなみに撮影で着たのは息子がアシスタントを務める〈ランバン〉のスーツ。彼がプレゼントしてくれたんだ。自分では普段選ばない、という意味ではこれも挑戦だね(笑)。ただこれを読んだ若い世代には、年を重ねる前に色々な格好に挑戦してほしい。それこそ70〜80年代の東京は、ロンドンともほかの都市とも、まったく違ったスタイルを持っていて、とても刺激的だったから! あの時のように、今でも周りにいる人たちに刺激をもらってそれを受け入れたいとも思っている。


ブルータス No. 820

21人と考えたファッションメソッド。

700円 — 2016.03.15
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ブルータス No. 820 —『21人と考えたファッションメソッド。』

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