ティードリンクにチャイ……ポートランドは新しいティーカルチャーの発信地でした。 From Editors No.842
From EditorsNo.842 フロム エディターズ
ティードリンクにチャイ……ポートランドは新しいティーカルチャーの発信地でした。
新しいティーカルチャーの最先端を体現するティーメーカーがあると聞いて、ポートランドに行ってきました。その名を〈スティーブンスミスティーメーカー〉。1970年代から〈スタッシュ〉、〈タゾ〉などを手がけたカリスマ、スティーブン・スミスさんが自らの名を冠したブランドです。アトリエ兼テイスティングルームで私たちを迎えてくれたブレンダーのトニー・テリンさんが中国茶やアールグレイなどのリーフティーに続いて出してくれたのは、私たちの想像を超えたティーでした。タップから注がれる炭酸入の《ニトロチャイ》や、やや甘やかなブレンドティーにリコッタチーズとミルクをミックスして自家製シロップを入れたティードリンクなど。彼が目下情熱を注いでいる、オリジナルレシピの開発はじつに楽しそう。また、ローカルに評判のチャイ専門店があると聞いて車を走らせると、20年ぶりの大雪にもかかわらず長蛇の列が。〈ピップス・オリジナル・ドーナツ&チャイ〉です。薫香がついた《スモーキー・ロビンソン》、ショウガをきかせた《ジンジャー・ロジャース》などネーミングもウィットに富んでいてワクワク感を煽ります。揚げたてドーナツとの相性も抜群で、カップルから親子連れまであらゆる世代がチャイを楽しんでいるのを目の当たりにしました。本誌では、ティーシロップやティーリキュールを作るティーメーカーも紹介。ブレンドリーフティーの多様性もさることながら、その先にも無限に広がるティーカルチャーの一端を垣間見ました。
●︎︎草野裕紀子(本誌担当編集)