Special Contents 禅とデザイン。

禅の視点で世界を眺めると、直接的・間接的に影響を受けたデザインがある。本誌では、僧侶、庭園デザイナーの枡野俊明さんとプロダクトデザイナーで、曹洞宗の寺で修行経験のある坪井浩尚さんが「禅的なデザインとは」を語りました。ここでは、その一部を紹介します。

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簡素でなく、価値の最大化

iPhone 7
 

アップル

スティーヴ・ジョブズが遺した《iPhone》。簡単に使えるよう、ボタンは１つ。モデルチェンジのたびに機能は進化するが、ホームボタンが１つというデザインは2016年の最新モデル《iPhone 7》まで変わらない。

加湿器
design by 深澤直人

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深澤直人さんがデザインした加湿器は、水滴を具現化した加湿器であることを静かに、強く主張するデザイン。つるんとした一体型のフォルムは、手磨きを含む、徹底的な研磨加工によって実現しているという。2004年製。

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境界を規定しない、とらわれない

シュベドッカ
design by マーク・ニューソン

ナイキ

《Apple Watch》などアップル製品も手がけるマーク・ニューソンが、2004年にデザインしたナイキのスニーカー。外側はアッパーからソールまで穴が開いた同一素材。専用のインナーを入れて履く。2014年に復刻。

フラワーベース
design by 倉俣史朗

イシマル

日本のデザイナー、倉俣史朗は、透明なアクリルブロックに鮮やかなアクリル板を入れ、フラワーベースの輪郭を曖昧に。挿した花は浮いているように見える。浮遊感の中に、存在の儚（はかな）さを強調した作品。1989年製。

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艶やかで、厳か

カトラリー
design by 柳宗理

日本洋食器

なだらかなひとつながりのラインは、柳宗理デザインの共通項。カトラリーはどれも、手に馴染み、口当たりもよい。曲線をステンレスで再現できるのは、新潟県燕市にある日本洋食器の加工技術があってこそ。1974年製。

45チェア
design by フィン・ユール

ワンコレクション

境目のないうねるような形の肘掛けが特徴の木製チェア。人工物にはない、自然の営みを具現化したような躍動感と温かみ、緊張感もある。デンマーク人デザイナー、フィン・ユール独立後最初の作品。1945年製。