草津、有馬に並び、日本三大薬湯に数えられる松之山温泉。温泉と認められる基準値の15倍の温泉成分が含まれた湯は、入浴中から肌が滑らかになる感覚。〈ひなの宿 ちとせ〉の自慢は、源泉掛け流しを優雅に楽しめる離れの露天風呂。冬は雪見風呂になり、雪国情緒たっぷり。日帰り入浴あり。●ひなのやど ちとせ／新潟県十日町市松之山湯本49−1☎025・596・2525。全31室。１泊14,190円〜。ほくほく線まつだい駅からバスで20分。駅から宿の送迎サービスあり。

人口500人少々の規模に対して、個性的な野湯が充実している伊豆諸島の式根島。地鉈温泉は名前の通り、大地を鉈で割ったかのごとく岩壁の隙間に存在。岩場を下りていくと、海のきわに茶褐色の温泉が湧いている。源泉が80℃とかなり熱いため、満潮時に海水と混ざった状態で入る。「内科の湯」と呼ばれていて、胃腸病、神経痛、冷え性、婦人病などに効果あり。水着で入浴する。●じなたおんせん／東京都新島村式根島1006。無料。野伏港から徒歩35分。

和歌山との県境に位置する一軒宿。趣ある本館は、大阪府堺にあった娯楽保養施設〈潮湯（しおゆ）〉の別館を1935年に移築したもので、東京駅や日本銀行本店などの設計で知られる建築家・辰野金吾が手がけた。客室や玄関、廊下などに当時の意匠を残すほか、現主人の尽力により、その他の部分の復元も進行中。辰野作品には珍しい和風建築を体験できる。●なんてんえん／大阪府河内長野市天見158☎0721・68・8081。全14室。本館１泊16,350円〜。南海電鉄高野線天見駅から徒歩２分。