マガジンワールド

Special Contents “醸し”の白ワイン、日本・オレンジワインの現在。

ワインは赤、白、ロゼだけではありません。白ブドウを赤ワインの製法、つまり皮とともに“醸して”仕込む茶褐色のワイン。ナチュラルワインの生産者たちの支持を得て広がるオレンジワイン、日本にもたくさんあります。

甲州グリ・ド・グリ2014シャトー・メルシャン
醸しの効果を、科学で示した、オレンジワインのパイオニア。
「できるかぎり浅井昭吾さんの体験した時代の甲州の仕込みをイメージし、現代の醸造法に解釈し直しました」と醸造家の安蔵光弘さん。短期間の醸しのほかにもいくつかの醸造方法を併用・ブレンドして発売。同社の「甲州きいろ香」が繊細な和食に合うのに対し、こちらはやや甘めのたれを使った料理と好相性。タンニンが比較的多いので、飲む温度は高め(12℃ぐらい)がオススメ。5,000本(年間生産本数、以下同)。参考価格2,780円。



甲州F.O.S. 2011ココ・ファーム・ワイナリー
10年後にもう一度飲んでみたい、甲州の可能性を世に問うワイン。
「甲州の色は本来は銅色で力強い」。甲州を淡く仕上げるのが主流だった時代に、カリフォルニア出身の醸造家ブルース・ガットラヴさん(現・北海道10Rワイナリー)が、“常識破り”に造った「甲州ミスター・ブラウン2004」が原型。醸し期間は約2週間。「10年間試行錯誤を重ねてきた。『’11』が一番初期のものと近い」と醸造部長・柴田豊一郎さん。ドライフルーツや焙じ茶の香りがあり旨味たっぷり。4,598本。3,000円(税込み)。



キャネー甲州 金茶いろ2013金井醸造場
昔のワイン造りに答えを見つけた、体に染み込む自然なおいしさ。
土地のブドウを生かす自然なワイン造りを模索する過程で生まれた、昔ながらの醸し発酵で仕上げた「甲州朝焼け2005」。「甲州の可能性を試してみたいと醸しを始めました。1970年代に父が醸し発酵で造った力強いワインの存在も大きかった」と、金井醸造場3代目当主の金井一郎さん。その発展系「キャネー甲州 金茶いろ」は1ヵ月醸した後、澱と共に一夏熟成。じんわり体に染みる日本のヴァンナチュール。1,365本。2,160円(税込み)。



みつばち(シュナンブラン)2014カーブドッチ
トロリとした風味と、ほのかな旨味。醸しワインビギナーにオススメです。
ヴァンナチュールが大好きという製造責任者の掛川史人さんが、主力商品とは別に、個人的趣味で造るのが「どうぶつラベル」のシリーズで、シュナン・ブランを従来と違うアプローチで仕込んでみようと造ったのがコチラ。苦味、渋味をコントロールしながら3日間醸しを行い、亜硫酸無添加で瓶詰め。皮からフェノール成分が引き出され、柔らかい蜜のニュアンスとハーブの香り。微発泡の爽やか系オレンジワイン。874本。2,700円。



アルバリーニョ・マセラシオン2014フェルミエ
品種の個性が醸しで増幅。果皮が引き出す華やかな味わい。
白はアルバリーニョだけを栽培する新潟のワイナリー。「スペイン・ガリシアの秀逸な生産者のアルバリーニョを多数飲みましたが、同種のブドウを食べたときの香味はなかった。とすれば皮から香味成分が抽出されるのでは」。当主の本多孝さんは、こう仮説を立て、2014年に初めて造ったのがこのワイン。アルコール発酵が終わるまで約2週間醸した結果、白桃を思わせる華やかなアロマが花開いた。山菜や鮎との相性抜群。263本。6,000円。



アブソルート・エゴ・グリ・シャルドネ2014ヒトミワイナリー
醸しと無濾過のダブルの効果で、ブドウのすべてを生かし切るワイン。
造るワインは、すべて“にごりワイン”。ブドウのすべてをワインに詰めるべく、濾過を行わずに瓶詰めするワインのことだそう。ユニークなラインナップの中でもひときわ個性を放つコチラは、約1ヵ月櫂入れしながら低温で醸すことで、シャルドネの果皮の色素成分が十分に抽出され、芳醇な黄金色に。グアバのようなトロピカルな香味と、潮の香りにも似たヨード香が混じり合い、唯一無二の魅惑の味わいだ。1,000本。2,400円。



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